息苦しさに目を覚ませば、重厚なカーテンの隙間から日の光が差していた。息苦しさの元を探ると、捲れた布団からワイシャツ姿のままの腕がどっしりと私の腹部に巻き付いているのが見える。
何事もきちんとしている彼が着替えもせず寝ているのは珍しく「お疲れだったのかな」と思案する。
そんな状態の彼に、きっと昨日はろくに食べずお腹をすかせてるんじゃないか、そう思った私は、胃に優しいものがいいだろうか、昨日食べていない分がっつり食べたいかもしれない、などぼんやりと考え、彼を起こさないよう抜け出そうと試みる。
すると「どこに行くんですか。」と不機嫌そうな彼の声が。起こしちゃったな、と思いつつ「朝ごはん、作ろうかなって。」と首を上げれば「駄目です。」と抱き寄せられ抜け出せない。

「でも、お腹すいてない?」
「そんなことよりこうしていたい。」

まだ眠た気な彼の声色に「ああこれは、離してもらえないな。」と悟った私は、腹部に巻き付くがっしりとした腕に自分の手を重ねた。

「もう少し、このままで。そしたら2人でいつものパン屋に行きましょう。そこでモーニングを食べれば問題ない。」
「ふふっ、多分ランチになっちゃうよ。」

彼の指に自分の指を絡め、こんなのんびりした朝も幸せだな、と聞こえ始めた寝息に私も再び瞼を閉じた。



七海と休日の朝
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