「伽羅?」

おやすみ、と言い数分、名前を呼ばれるが無視を決め込む。

「寝ちゃった?」

寝ていないと分かっていながら呼んでいるな。

「ねぇ、伽羅?」

何度呼んでも黙っている俺に諦めがついたのか部屋の中は再びシンと静まり返った。
が、今度はひしひしと空気で訴えられているような気がし、これじゃぁ寝るに寝れない。
はぁ、と一息つき「なんだ」と振り向けば、真っ暗な中でもキラキラとした表情が見えそうなほど嬉しそうな空気を醸し出し、きゅっと俺の手を握った。

「眠れないから、手を握って寝てもいい?」
「……今日だけだからな。」

この言葉、俺は一体何度使ったことやら。



なんだかんだ甘い大倶利伽羅
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