「ねぇねぇ、俺が今考えてること当ててみて?」

くつろいでいた私の後ろから、拓斗はその大きな体で私を覆うように抱き締め質問してきた。

「なに、急に?」
「いいから、当ててみて!」

語尾に音符が付きそうなほど楽しそうにふふっと笑う拓斗。
体躯からすればこの言葉は似合わないのかもしれないが、とても可愛らしい。

「んー、ごはん美味しかった?」
「違うよー。」
「えー、のど乾いた?」
「違う違う!もっと俺と名前ちゃんのこと!」
「私と拓斗?……んー、デートしたいなぁ、とか?」
「んぅぅぅ、確かにデートしたいけどっ、でも今はそれじゃない。」
「えー、分かんないよ。」
「もっとさ、もっとこういう!」

そういうと拓斗はぎゅうっと私を抱き締めすりすりと擦り寄ってきた。

「あはは、イチャイチャしたい?」
「んー、そうだけど、もっとさぁ」
「もっと?」
「もっとこういう…」
「え、」

急に雰囲気がガラリと変わった拓斗に後頭部を抑えられ長く口付けられる。
息苦しくなり拓斗の肩を押すと、ペロリと唇を舐め上げられ、拓斗の唇が離れていく。

「これよりもっと激しいことしたいな、って思ってる。」

急に雄の顔を覗かせる天然彼氏に、私はいつもドキっとさせられるのです。



当ててほしい葦木場
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