「山岳って、意外と筋肉あるんだね。」
俺が山から戻ると、部屋に名前ちゃんがいて「おかえり」と俺のサイクル雑誌を読みながらくつろいでいた。
特に気にすることもなく「ただいま」と返し、汗を含んだサイクルジャージのジッパーを下げると、こちらへ目を向けた名前ちゃんから冒頭の言葉をかけられた。
「え〜、俺ってそんなに筋肉なさそう?」
「うん。ツンって押したら倒れちゃいそう。」
「へぇ、そんなイメージなんだ。」
ふふっと笑いながら返事をする名前ちゃんは、警戒心なんて微塵も無いようで、
「じゃぁさ、どっちが強いか力比べしようよ。」
ドサっと名前ちゃんを組み敷くと「え?」と目をパチクリさせている。
「俺、名前ちゃんを捻じ伏せるくらいの力はあるよ?」
ニコリと微笑み、そのまま深く口付けた。
真波と力比べ