「んっ、は」

キスをする時、一静は必ず私の耳を両手で塞ぐ。

「や、だっ」
「ん、キスすんの嫌?」
「ちが、そうじゃなくて」
「じゃぁ、なに?」

耳を塞がれると、とても響くのだ。
頭の中だけじゃなく、身体中いっぱいに口内の音が響いて侵食されているような気分になる。でも、そんなことどう伝えていいかも分からない。

「なぁ、もっと俺のことだけ考えて?」

そう言って再度私の耳を塞ぎキスをする彼は、きっと確信犯。



キスをする松川
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