夜ふと目が覚め横を見ると一静がいなかった。
ドアの隙間からうっすらと光が漏れており、惹かれるようにドアを開ける。
そこにはデスクに向かう一静がいて、私に気付いたのかこちらを振り向いた。

「わり、起こした?」
「ううん、大丈夫。お仕事?」
「ん、でももう終わる。」

おいで、と一静が自分の脚をポンポンと叩くので、いそいそと一静のお膝にお邪魔しコテンと胸に頭を預ける。

「俺がいなくて寂しかった?」
「………うん。」
「お、珍しく素直だな。」
「いつも素直だもーん。」

一静の、頭を撫でてくれる手が気持ち良くて、再度眠気が襲ってくる。

「じゃぁ今日は、そんな素直な名前さんを抱き締めながら寝ようかね。」

そのまま私をお姫様抱っこして立ち上がり、寝室へ向かう一静。
落ちないよう首に腕を回し抱き着くと、一静の香りがより一層強くなる。
ああ、今日はぐっすり眠れそうだな。



松川と寝ぼけ彼女
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