4限の体育の授業後、カラカラになった喉を潤すために自動販売機に寄ったけれど、どれにしようかな。レモンウォーターにしよう。
お金を投入口に入れ、お目当ての商品のボタンを押すとガタンと豪快な音を立ててペットボトルが落ちてきた。
キャップを開け一口飲む。ジュースは基本飲まないけど、レモンウォーターだけは昔から別だった。なんだか飲むとスッキリする。
地べたに座り込みボーッと校庭を眺める。お昼休みに入ったばかりのためか、人っ子一人いない。
「お、いいもん持ってるじゃん。」
ふ、と背後から声がし振り向けばクラスメートの花巻がいた。
「花巻、まだ教室戻ってなかったの?」
「ん、体育の後片付け。ちょっと頂戴。」
「えっ」
私の手からスルリとレモンウォーターを奪い、ゴクリと喉を鳴らす花巻。
「あ…」
“間接キス”
そう思った途端、身体の中がカッと熱くなるのを感じた。
「ん?なんだよ、俺そんな飲んでねぇだろー?むくれんなよー。」
私が黙っているのを怒ってると思ったのか、花巻は私と同じ目線にしゃがみ、笑いながら私のほっぺたを優しくつねる。
「お、怒っへない!ほっぺひゃふままないへ!」
「言えてねー!」
けたけたと一通り笑うとつねっていた手を離し、ペットボトルを返してくれた。
「ほら。飲んだ分、今度おいしーいシュークリーム奢ってやるよ。」
「本当?」
「おう。」
ニシシ、と歯を見せて笑う花巻と2人だけの約束ができたことについ顔が緩んでしまった。
花巻と間接キス
(萌えるシチュエーションbotより)