「ああ?うっせーな…」


むっくりと起き上がった男の子のキャスケットの影から、灰色の瞳がわたしを睨みつけた。





に始まる月曜日 (2)





「誰だよ、テメェ」

「そ、そ、それはこっちの台詞です!」


というか、さっき叫んだじゃないですか!と抗議するが、「ンなもん知らねぇ」と一蹴されてしまった。(理不尽だ!)


「つーか、どこだよ此所」


鋭い眼光に怯みそうになるが、なけなしの勇気を振り絞って踏みとどまる。


「こ、此所は、わた、わたしの家、です…!
か、帰ってきたら…あな、貴方たちが、居て、」

「は?何言ってんだよ、お前」


怪訝そうに男の子が眉を寄せた時、ううん…と小さな呻き声があがった。
その声に男の子がハッとして、床に寝転がっている五人を見回した。


「おい、目ェ覚ませ!ルカ!
イリア、アンジュ!エルも起きろ!
おっさんも寝てんじゃねぇ!」


そう怒鳴りながら、五人の肩を代わる代わる揺する。
一番に肩を揺すられた銀髪の子(多分、男の子)が、眠そうに目を擦りながらも身体を起こした。


「どうしたの、スパーダ…」

「"どうしたの"じゃねーよ!
しっかり目ェ開いて周りを見てみろ!」


スパーダ、と呼ばれたキャスケットを被った男の子が、銀髪の子を揺さぶる。
スパーダ、くん(呼び捨てには抵抗があったので君付け)があげた大声に、今度は赤髪の女の子が身体を起こした。


「うっさいわねェ…起こす時くらい静かに起こせないの?」

「ふぁぁ…どないしたん?スパーダ兄ちゃん」


赤髪の女の子に続いて、桃色頭の女の子も目を覚ましたようだ。
関西弁の女の子の横で、クルクルと巻かれたライトブルーの髪が揺れた。


「う…ん…、どうしたの?みんな…」

「…騒ぐな、ベルフォルマ。
そう騒がずとも聞こえる」


最後に、ライトブルーの髪の女性と黒髪を後ろで束ねた男性が床から身体を起こした。目を覚ました五人の視線がスパーダくんに集まる。


「ね、ねぇ、スパーダ。
此所は…どこなの?」

「さぁな。
そこの女なら知ってんじゃねーの?」


スパーダくんの言葉に全員が揃ってこちらを振り向いた。
翡翠色、緋色、灰色、薄紫色、碧色、琥珀色の六対の瞳が向けられ、吹き出た冷や汗がわたしの頬を伝った。




一体何なんだこの状況は!

(神様、ヘルプ!)



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