ボトリ、と林檎が一つ、窮屈そうな買い物袋から落ちて床に転がった。



昧に始まる月曜日 (1)




落ちた林檎に気付きながらも、それを拾う考えにまで至れない程、わたしの頭の中は混乱しきっていた。

林檎が転がっていった先には、わたしの家の玄関で眠る外国人らしき六人の男女。
銀、赤、緑、青、黒、桃といった個性的な髪色の持ち主達が、静かな寝息をたてながら眠っている。(いや、黒は普通だけど)

思わず周りを見回す。
……うん、ここは間違いなくわたしの家だ。

なら、その玄関で眠るこの人たちは誰なんだ。

いや、落ち着けわたし。
ゆっくり整理してみるんだ。

事の始まりは、いざ夕食を作ろうとしたら冷蔵庫の中身が空っぽだった事だったか。

うん、自分の事ながら、なんとも間抜けだったと思う。
まぁ、それで食材が無いなら仕方ないとやむを得ず買い物に行き、ついでに色々とまとめ買いして家に帰ってきたのだ。

そして、玄関の鍵を回して扉を開いた先に見覚えもない六人の人間が居た、と。

とりあえず、一言。



「ど…っ、どちら様ですかー――!?」


わたしの絶叫が近所に響き渡った。







整理したって、わたしの頭では現状把握なんて出来っこなかった。(所詮、わたしの頭なんてそんなもんだ)

(波乱の幕開け)



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