進撃夢主ネタ



特殊トリップが元ネタだけど、最終的にそんなの霞んで朧気にしか残らないから、いっそ特殊設定ってだけでいいような気がしてきた←
ループ設定、延々と845前後を彷徨った後に原作入り。つまり、前フリがとてつもなく長い。
自分がきちんと死ねるように、巨人を駆逐しようと奮起した女性新兵の話。


エルザ
本編軸で身体年齢19前後の女性。
元は東洋人らしい黒髪黒眼だったが、転生した後から髪が白くなり、眼も紫へと変わる。

元は日本人だったが、事故死したと思ったら進撃世界にいた。
混乱している最中にウォール・マリアが陥落し、入り込んだ巨人に食い殺される。
補食される恐怖の中で死んだはずだったが、何故だか人格と記憶を伴ったまま、進撃世界に赤子として生まれ落ちる。
成長する過程で世界の事を知り、あんな死に方はまっぴらだと平凡に生きようとするも、またしてもウォール・マリアが破られる。
過去に起きたはずの出来事が再び起こった事に動揺しながら、巨人への恐怖から逃げ出そうとしたが、子供だった故に門へと集中する人波に押し潰されて死ぬ。
しかし、また気付けば赤子として生まれていて、気が狂いそうになりながら、それでも死にたくない一心で日々を生きる。
だが、彼女を嘲笑うかのように三度、ウォール・マリアが陥落。
入り込んだ巨人に捕獲された折に圧死する。
そして、再びの転生を得て、ようやく彼女は理解する。
人間は普通なら死んだらそこで終わりだが、自分は死んでも終われないのだと。

彼女は考えた、どうすれば終われるのか。どうすれば、この呪われた生から解放されるのかと。
そうして、そこから彼女の気が遠くなるほどの試行錯誤が始まった。
ウォール・マリアに生まれたならば内地へと移住できるように努力したし、運よく内地で生まれたら其処で生活していけるように努力した。
けれど、いずれも20になる前に事故死や病死、他殺、巨人に食われたりなどして死に、再び転生する。
その度に、知人はおろか家族さえ一変し、彼女は苦悩した。
それでも、解放されたい一心で生を繰り返していった彼女は、やがて念願のウォール・シーナにて生まれる。
これで死なずに済むと思った矢先、親に地下街へと捨てられ、孤児となってしまった。
初めての経験に途方に暮れながら、日々の糧を得る為にストリート・チルドレンとして生きていく事に。
暫くは上手くいってたものの、一人で生活していくのに限界を感じ始めた頃、リヴァイと出会う。
出会い頭から反りが合わないと思った彼女だったが、その後も何かと遭遇していく内に彼への認識を改め、歩み寄っていくようになった。
そして、彼が調査兵団へとスカウトされた事がきっかけで、巨人と対峙する事を決意。
巨人への恐怖を抱えながら、しかしそれを乗り越え、巨人を駆逐した先に新たな可能性があるのではないかと考え、リヴァイの背中を追うようにして訓練生へと志願する。
卒業後、希望通り調査兵団へと入団し、壁外調査で巨人との交戦を繰り返す内に恐怖は乗り越えられたものの、仲間を庇って腹部を食いちぎられ、ウォール・マリア陥落前に失血死。
その後、新たな生を手にした彼女は再び調査兵団を志すが、初めての壁外調査にて巨人の群れに遭遇し、仲間が食われていく中で彼女も巨人に捕まり、戦死する。

所詮、人間は巨人には敵わないんじゃないかと心を折られかけた彼女は、恐怖から逃れようと以前試みたように普通の生活を送ろうとしたが、超大型巨人出現に伴った瓦礫により死亡。
その後、自棄になって色々な自殺を試みるも、全て何の意味も為さなかった。
彼女は他に残された道はあるかと考えながら、様々な職業を経験しながら生を繰り返した。
そして、シガンシナ区に生まれた彼女は医者を志して、弟子としてイエーガー家の居候となる。
初めは内地へ行く手段として医者を選び、その過程としか見ていなかったイエーガー家での暮らしは、彼女に在りし日の日本での暮らしを思い出させた。
暫く自分の事しか考えずに生きてきた分、湧いた情は狂おしいほどに苦しくて切なくて、けれどたまらなく愛しいもので。
遠からずきっと自分は死ぬ、死ねばこの関係は無かった事になる。
そして、彼らもウォール・マリアが陥落すれば恐らく死ぬ事を彼女は知っていた。
感情と恐怖の狭間で葛藤する彼女だったが、しかし、彼らが寄せてくれる好意に応えようと決意。
ウォール・マリア陥落に備えて、内地への往診の付き添いを辞退してシガンシナ区へと残る。
だが、その日が来て避難しようとした矢先、壁が破られた折に飛来した瓦礫に家が潰されてしまう。
カルラに庇われて崩落から逃れたものの、カルラを下敷きにした柱を持ち上げる事が出来ず、人を呼んでこようと通りへと飛び出した。
しかし、誰一人として耳を貸さない状況に加え、巨人が壁内へと入ってきてるのを目撃し、自分一人で何とかするしかないと急いで来た道を帰る。
けれど、そこで彼女が目にしたのは、巨人に捕まったカルラの姿だった。
絶望と怒りに目の前が真っ赤になり、後先考えずに巨人へと飛びかかろうとした彼女だったが、エレンの声を耳にして我にかえる。
視線を飛ばせば、ハンネスがエレンとミカサを抱えて走る姿が見え、状況を把握した彼女は彼らを援護する為に後を追った。
背後から聞こえた、骨を噛み砕き、肉を噛み締める音に拳を握り締めて耐えながら。
しかし、それも束の間で、彼らの右側から巨人が接近している事に気付き、自ら囮となる為に巨人の前へと飛び出す。
エレンやハンネスの叫び声に、早く行って、私もすぐに後を追うからと叫び返し、巨人の手を避けて建物の中へと誘い込む。
狭い階段などを使って巧みに逃げ続けるも、窓を破って侵入した別の巨人の手に捕まり、補食される。

またもや赤子として生まれた彼女の心を占めていたのは、転生する度に感じていた虚無感ではなく、エレンたちが生き延びられたかどうかの心配だった。
そして、同時にカルラを助けられなかった事を悔やみ、戦う術を持つ事がいかに大切かを思い知る。
巨人から遠ざかる事は難しいが出来る、けれどウォール・マリアが破られた以上、仮初めの平穏はいつか終わりを告げるだろう事を彼女は悟っていた。
もし20を越えて生き延びられたとしても、その先でまた同じ事が起これば結果は変わらない。
そうして、必ず巨人と対面せざるを得ない時がきたとして、自分は戦う事も出来ずにただの餌のように食べられるだけなのだ。
これまでのように、いつまでも。
そんなのは嫌だ。
誰かを守れる力もなく、ただ見殺しにするしか出来ない、ちっぽけな存在のままでいたくない。
自分に誰かを守れる力があるなんて思えない、幾らか巨人を倒したところで、奴らは無尽蔵のようにやって来る事だって知っている。
けれど、大切な人を守れる力が欲しいと思ったのは、紛れもない彼女の本音だった。
人類だとか世界だとか、そんな大きなものはどうだっていい。
たかが小娘の力なんて限られている、万能な存在なんてこの世にはいないのだから、力を手に入れたとしても守れない可能性だって充分ある。
それでも、力がなければ抗う事さえ出来やしないのだ。
自分が生き残る為にも、大切な誰かを守る為にも、力は必要だ。
戦える力がなければ巨人には勝てない。
負ければ死ぬ。けれど、きっと戦わなければ勝てないのだから。
永遠と続く地獄の中でも、恐怖に満ちた茨の道である事を察しながら、それでも彼女は選んだ。
虚無に苛まされ、束の間の平穏を生きるぬるま湯ではなく、苦痛と絶望ばかりを目にするであろう血濡れた戦う道を。

だが、決意した彼女を阻む者がいた。彼女を生んだ親だ。
再び訓練生を志願しようとした彼女だったが、既に調査兵団に入団した兄がいた為に、両親から断固として反対されてしまう。
親の制止を振り切ってでも志願しようとしたが、彼女が12になる前に兄が殉死した為に、尚更反対は強固となってしまった。
仕方なく、今回の志願を諦めて平凡な日々を生きる彼女だったが、18の頃にウォール・マリアが破られた事により、奪還作戦という名の口減らしに強制参加させられてしまう。
暫くは人波に流されて逃げ回っていたものの、曲がり角で巨人に遭遇。
ああ、今回も食われて死ぬのかと伸ばされた巨大な手を前にして、死を覚悟した彼女だったが、兄の同期だった駐屯兵に助けられる。
しかし、彼女を助けた彼は別の巨人に頭から食われてしまった。
噛みちぎられた彼の両腕が大量の血と共に降ってきて、彼女の目の前に転がった。
眼前で貪られた無残な遺体に、かつての怒りと無念が胸の底から溢れだし、彼女は激情のままに彼の形見となった刀身がついたままのグリップを掴み、巨人へと斬りかかった。
兵士だった頃の記憶を頼りに、足首を狙い、敢えて片足だけアキレス腱を削ぐ。
狙い通りバランスを崩した巨人のもう片足も削ぎ、うつ伏せに転んだ巨体の上に登ってトドメを刺した。
ささやかな復讐を果たした彼女だったが、激しい動きに訓練など縁遠かった身体は早くも限界を迎えていた。
蒸気をあげて崩れていく身体から降りたものの、新たな巨人が何体もこちらへと向かってきている。
諦め半分抵抗半分で、武器を構えた彼女だったが、投入された調査兵の援護を得て、かろうじて生き残る。
しかし、過労と戦闘中に負った怪我(腕と肋骨にヒビが入った)の痛みから気絶。
倒れた彼女を調査兵が拾い上げた時に撤退の合図が出された事により、彼女も壁内へと戻る事が出来た。

生き永らえた彼女を待っていたのは、家族の死亡報告と尋問だった。
記憶を持つ事は打ち明けられない、しかし好都合な事に彼女には調査兵団だった兄がいた。
兄から聞いた事にして難を逃れた彼女は、止める者もいないならばと改めて訓練生に志願しようと考えていたところを、エルヴィンに調査兵団へとスカウトされる。
まさかの申し出に唖然とする彼女が理由を問えば、エルヴィンは笑って、君の活躍を聞いて思ったんだ、君の力は周囲を助けられるものだと、と答えた。
彼女が倒した巨人は最初の1体のみ、しかし討伐補佐にあたる働きは3体にも上る。彼女が気を引いて逃げ回りつつ、隙あらば腱を削いだ結果だ。
立体機動装置も着けていないただの一般人の働きにしては、快挙を通り越して異常でしかない数値。
だが、調査兵団から見ればそれは仲間を生かせる優秀な兵士に値する働きであった。
エルヴィンの言葉を聞き、調査兵団への入団を心に決めた彼女は、改めて問われた質問に肯定を返した。
まずは療養して怪我を完治させ、政府から渡された報酬で細々と生活しながら筋力トレーニングに励み、作戦から数えて次の年の訓練生へと志願する。
19にして志願した彼女は、104期の中でもミカサ・アッカーマンと並んで、ちょっとした有名な存在となる。主に変わり者として。

その後は、関わりがあった幼なじみ三人やリヴァイら調査兵団の面々に、一方的に面識のある彼女が悶々したり、必要以上に入れ込んで怪しまれたりしながら過ごしていく話。
でも原作沿いだから結局は絶望ばかり←





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