初恋が最後の恋


わかっていた。

わかっていたはずなんだ。





彼女は人じゃないこと







彼女は0と1でできた存在ということを。








そんな彼女を愛してしまった。

なぜだろう


わかりきったことだと知っていたのに

涙が止まらないんだ。


「三成……」


儚く微笑む彼女をただ抱きしめて。

いつか味わう消失。

でもこんな早く味わうなんて、あんまりじゃないか。

淡く煌く世界。

粒子となって消えていく彼女。


「…名前」


初めての感情。

初めての愛情。

初めての消失。

一気に襲ってくる悲しみ。


「ナカなイ…デ……ね?」

「泣いてなど…っ!?」


どうしようもなく溢れてくる涙。

こんな風に泣いたこと、無かったのにな…。

無機質な日々に彩をつけてくれたのは名前。

いつも笑顔で無愛想な私と一緒にいてくれた名前。

誰よりも好きだった、初めて人……。
………誰かを愛することを教えてくれた名前。


「……まタ、ドコかでアオう?」


何処かで、なんて。

「何処で会えるんだ。今の貴様しか愛せない!!」

「ワタしハ…ひとリじゃナイ……」

「違う!!この世で名前は貴様だけだ!!」


無慈悲に煌く世界が、終焉を告げる。


「………ト…………ウ」


最後に彼女が何か言った。

けれど

聞こえなかった。

初めての恋が終わりを告げた日。

私は誓った。

もう、彼女しか愛さないと。

二度と、恋はしないと。









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -