▼スプーキーのゆうわく!

当然のようにグラビアをめくっているのは巻島…ではなく、その恋人のなまえだ。場所は巻島の部屋で、巻島は椅子に座りながら雑誌(健全な漫画だ)を読んでいて、なまえはベッドに横になって巻島のグラビアを真剣にみている。タイツを履いているとはいえ、スカートでその体勢でグラビアを読むのはやめてほしいと巻島は思った。しかし言えば、「あれれー?ムラムラしてるのかい、巻島ぁ?」とにやにやされるのは目に見えている。この変人彼女は、恥じらいをどこに忘れてきたんだろうかと巻島は本気で思っている。

「巻島ぁ」
「んー?なんショ」

グラビアから巻島へと視線を向けるなまえ。いつものにやにや笑いだ。その笑いを見ると、あの夢の国のピンクでしましまでにたにた笑ってるあの猫を思い出す。あの色合いは、嫌いじゃなかった。

「やっぱりこんなぼん!きゅっ!ぼん!が好き?」
「はぁ?あー、まぁそれが理想的ってだけだしなぁ。そこまで夢見てないッショ」
「え、つまんない。そこはうんっつって、じゃあ巻島、私のおっぱい大きくして!って流れでしょ」
「意味わかんねーショ…」

どんなエロマンガだとこぼせば、けらけら笑いながらグラビアを閉じて起き上がるなまえ。ベッドにグラビアを置くと座っている巻島のもとに向かい、なまえは座る。座っている巻島の脚の間に座り込んで見上げてくるため、なんだかいい眺めだと思えた。

(この眺めは…まずいッショ。この間フェラされたときも、確かこんな感じだったような)
「ねぇ、ゆーすけ」

つつ、となまえの指先がジーンズ越しに巻島の膝を撫でる。ぞわぞわと腰から下から何かが這い上がってくる。それをさらに煽るように、指先は膝から上へと向かう。相変わらず見上げたままで、それでいてさっきと違って熱がこもってきているのだ。
この変人は、煽るのがうまい。その気なんて本当になかったのに、今ではもうムラムラしているのだから。ただ、ギリギリのところで巻島は耐えていた。だが、どこかでは「ゴムは財布の中ショ」とすでにヤる方向に思考が向かっているのも事実だ。最後の一押し次第では、理性というダムは決壊するだろう。

「私はさ、ゆーすけが思ってる以上に、ゆーすけ好みにされたいと思ってるんだよ」

そう言いながら巻島の下腹部へと指を這わせ、巻島の股座にズボン越しにキスをするなまえ。
あっさりとダムは決壊した。
あとはただ、なだれ込むだけである。




20140301
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