君色、愛色 | ナノ

06


まず向かったのは、篠原家大黒柱の慎之介さんの元へ。

「慎之介さん!今日はお呼びいただきありがとうございます!」

「沙和ちゃん、お仕事お疲れ様。せっかくのクリスマスって言うのに男ばかりじゃね。女の子がいるとやっぱり華があるね」

そう言った慎之介さんは気がつけば私の手を握って自分の口元に持っていってた。

さすが庵パパ。侮れません。

「ふふ、そう言っていただけると嬉しいです。そうだ!私、プレゼント持ってきたんで、よかったら受け取ってくれませんか?」

「私に?」

「はい!」

そう言って、プレゼントを渡しました。

「ありがとう。大切にするよ」

「どういたしまして!」

―――−−−…

「苑くん、こんばんは!」

次に向かったのは、苑くんのところ。
隣にいた彼女さんには会釈をした。

久しぶりに見た男の姿に、やっぱり庵くんに似ているなと思った。

「沙和さん!この間はありがとうございました!」

「いやいや、私はなにもやってないよ。それより、彼女さんの名前教えてもらってもいいかな?」

ずっと気になってた苑くんの彼女さん。

「あ、はい!はじめまして!早乙女ひなたです!あの、モデルの井上沙和さんですよね!?私、ファンなんです!握手してください!」

「はじめまして、ひなたちゃん!井上沙和です!」

そう言って握手をした。

「でも、どうして沙和さんがここに?」

「あれ、苑くんから聞いてない?」

「えっ?」

この反応は確実に聞いてないようです。

「沙和さんは庵兄の彼女なんだよ!」

「えーーー!?そうだったの?!」

「ふふっ、これからよろしくね♪」



それから、ひなたちゃんとはすぐに打ち解けた。

今日、プレゼントを持ってきてない代わりに、今度一緒にご飯に行くことを約束し、連絡先を交換した。

あ、ちゃんと苑くんにもプレゼント渡しました。



prev / next
[ back to top ]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -