君色、愛色 | ナノ

04


「お疲れ様でしたー!」

撮影も無事終了して、急いで帰る準備をする。

撮影中はスタッフさんたちにたくさん話かけてもらった。

「今日はデート?」や「プレゼント買った?」や「俺もあと10若かったら…!」など、いつもは中々話さないスタッフさんたちとも話ができた。

クリスマスパワー恐るべし。

「お先に失礼しまーす!」

後ろから、お疲れ!楽しんできなよ!と言うたくさんの声が聞こえてくる。
そんなスタッフさんたちに手を振り庵くんの家に向かう。

「沙和!」

「真田さん?」

少しはや歩きで歩いていると真田さんに声をかけられた。

「送ってく」

「え、そんな悪いですよ!」

「気にすんなって、パーティ早く行きたいんだろ?」

「…じゃあ、お願いします」

これ以上何を言っても真田さんは折れないと思ったから結局私が折れるしかない。

「おう!んじゃ行くか」

「はーい」

「ちょっと寄りたいとこあるんだけど寄っていいか?」

「大丈夫ですよ!」

真田さんの寄りたいところはケーキ屋さんだった。
ちょっと待ってろと言って真田さんは車を出ていった。

5分ほどすると真田さんは箱を持って戻ってきた。

「おかえりなさい、何買ってきたんですか?」

「これ、俺からのクリスマスプレゼント」

「え、そんな悪いですよ!」

「今日手伝ってもらった礼だから気にすんな」

「じゃあ、お言葉に甘えていただきます…」

「庵くんと食べろよ?」

「わかってますって!」

「ならいいや、出発すんぞ」

それから30分も経たないうちに到着した。

「真田さん、ありがとうございました!」

「おー、次会うのは正月明けだからな」

「了解です!それじゃあ、また!」

「おう」

真田さんが出発するのを見送って、私は庵くんの家のチャイムを押した。




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