03
篠原家でのパーティを控えた前日、一本の電話がかかって来た。
「もしもーし、真田さん?お疲れ様です。どうかしましたか?」
電話はマネージャーの真田さんからでした。
「はい、はい………はぃ………お疲れ様でした」
―−・・・
「えっ、来れなくなった?」
「昨日、真田さんから連絡があって、今日撮影予定の子が風邪で来れなくって、急遽代理で私がはいることになって…本当にごめんね」
昨日の真田さんからの電話の内容を庵くんに話す。
「仕事なら、仕方ないよ」
「…急いで終わらせてくる」
「えっ?」
「急いで終わらせて、庵くんのお家行く!」
「沙和ちゃん…」
「それに、せっかくのクリスマスだもん!私は庵くんと過ごしたい」
昨日、真田さんとの電話のあとたくさん考えた。
仕事だから諦めようと思ったけれど、やっぱり諦めきれなくて。
だから、早く終わらせてパーティに向かうと決めた。
「!!、俺も沙和ちゃんと過ごしたい」
「だから、お仕事急いで終わらせてくるね!」
「わかった、待ってるよ」
「はーい!それじゃあ、またあとで!」
「うん。仕事頑張ってね」
「ありがと!」
電話が終わるとちょうど真田さんが来た。
「準備はできたか?」
「はい、大丈夫です!」
「すまんな、せっかくのクリスマスなのに」
「もー、大丈夫ですって言ってるじゃないですか!」
真田さんも予定があったと思う。
私だけがわがままを言える訳がない。
「しかし…」
「早く終わらせて、帰りましょ?」
「…あぁ、そうだな。行くか」
「はいっ!」
今日も頑張ってきます!
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