君色、愛色 | ナノ

02


クリスマスに篠原家に行くと約束をして、早数日が経ちました。

本日、お昼から仕事が休みだったので、篠原家の皆さんに日頃の感謝を込めて、クリスマスプレゼントを買いに行きました。

お父さんの慎之介さんにはネクタイ。
上の弟、軒くんには最新の圧力鍋。
真ん中の弟、苑くんには女の子の姿でも使えるカーディガン。
一番下の弟、展くんにはマグカップ。

「よし、残るは庵くんのみ!」

庵くんにはお仕事の時にでも支障にならないよう、ネックレスを買うことを決め一軒のお店に入った。

「あれ?苑くん?」

「沙和さん!」

なんとそこには、庵くんの弟の苑くんがいました。

「わー!久しぶりだね!」

「はい!お久しぶりです!」

「今日は、彼女さんにプレゼントを買いに?」

「はい!でも、何にしようか悩んでて…」

なかなか決まらないのであろう。
苑くんはうーんと考え始めた。

「んー…好きな人から貰えるなら何でもいいんじゃないかな?要は気持ちの方が大事なんじゃない?」

「気持ちが大事…」

「うん!誰かが自分のことを考えて何かを買ってくれるって、嬉しいとは思わない?」

「それもそうですね」

「恋人や友達、家族とか本当に誰でもいいんだよ。自分のためにやってくれることが嬉しいと私は思うよ」

自分の思いを苑くんに伝えると苑くんは、

「俺、もう少し頑張って探してみます!」

と、言ってまたプレゼントを探しに行った。

苑くんが去って私も庵くんのプレゼントを探し始めた。


庵くんへのプレゼントはあっさり決まった。

苑くんにあんなこと言ってしまったが、直感的にこれだ!と感じて、店員さんに声をかけた。

こちらでよろしかったでしょうか?と店員さんが確認してくれた。うん。やっぱり庵くんにはこれが似合いそうだ。

「はい、プレゼント用でお願いします」

と店員さんに言えば、

「彼氏さんにですか?」と聞かれたので、

「そうです」って答えた。

「こんなに可愛らしい彼女さんにプレゼントをもらえるなんて、彼氏さんはとても幸せなんでしょうね」

と、店員さんは微笑んだので、ありがとうございますって伝えて微笑み返した。

「お待たせしました」

「はーい、ありがとうございました」

「またのご来店お待ちしています」

ペコっと会釈をして店を出た。

そう言えば店員さんと話していた時に、苑くんが血相を変えてお店から出て行ったんだけど、いったいなんがあったんだろうか?と疑問を残し家に帰った。



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