君色、愛色 | ナノ

18


「そこを何とか!」

「無理だってば…」

「お願い智絵ちゃん!」

早退した日から早数日。

体調もすっかり良くなって久しぶりに学校に登校した。

そのことで朝から彼女、須藤智絵ちゃんと言い争っている。

私と智絵ちゃんが何を言い争っているのかというと、

「おーねーがーい!一人じゃ怖くて3年生の教室行けないよ〜!」

そう。この間お世話になった庵先輩にお礼を言いに行きたいのだが一人じゃ怖くて3年生の教室に行けないのだ。

「そもそも私、昼休みは委員生の仕事があるんだってば…」

現在3限目の休み時間。

お昼休みに行く予定なので、その時間までに智絵ちゃんを説得しなければならない。

「そこを何とか!」

「無理だってば…」

「どうしても?」

「無理」

「…」

これは本格的に諦めるしかないようです。


―――・・・


「じゃあ頑張って行ってくる…」

「報告待ってるね〜」



報告待つくらいなら一緒に来てよ!智絵ちゃんの鬼!
と思ったのは私だけの秘密。



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