君色、愛色 | ナノ

16


2月

街もバレンタイン一色になりつつあるこのころ。

今年は何を作ろうかなとケータイとにらめっこしながらレシピを探す。

「何してんの〜?」

後ろから庵くんが抱き着いてきた。

「今年のバレンタイン何作ろうかなって考えてたの!」

「沙和ちゃんが作るのなんでもおいしいから何でもいいよ」

「あー、悩む!」

う〜、とまたケータイとにらめっこ。

「あ、じゃあ俺あれがいいな」

「なになに!」

「ガトーショコラ」

「!、うん!わかった!楽しみにしてて!」

甘さ控えめのガトーショコラ。

「あ」

「?、どうしたの?」

「そう言えば庵くんに初めて渡したバレンタインもガトーショコラだったなって思って!」

「懐かしいね」

それは私と庵くんの初めてのバレンタインの話。


―――・・・



prev / next
[ back to top ]

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -