君色、愛色 | ナノ

13


1月。新年になりました。

新年になって、庵くんと二人で初詣に行ったり、お互いの実家にも行ってきました。

それから早数日が経ち、明日は苑くんの誕生日です。

いつもだったら毎年誕生日プレゼントを渡すが、今年はひなたちゃんという彼女がいるのであまりでしゃばったことはしたくない。

そうなるとどうしようか悩む。

「う〜ん…、どうしよう…」

雑誌を見たり、意味もなくケータイをいじってみる。

うん。いい案が思い浮かばない。…よし、庵くんに相談でもしてみよう。

そうと決まったら電話だ。

数回呼び出し音が鳴ると庵くんは電話に出た。

「もしもし庵くん、沙和だけど。遅くにごめんね起きてた?」

ちなみにただいま夜の10時を過ぎてます。

《「起きてたから大丈夫だよ。どうしたの?」》

「実は相談があって…」

そして先ほどから悩んでいることを話した。

《「なるほどね〜。ねぇ沙和ちゃん。クリスマスの時にひなたちゃんたちとごはんに行くって言ってたよね?」》

「うん、でもお互い時間が合わなくてまだ行けてない状態なんだ…」

《「それさ苑も誘ってみるのは?」》

「え?」

《「ほら、ご飯だとさ形として残るわけじゃないし、ひなたちゃんも一緒だと苑も喜ぶと思うし、ひなたちゃんとの約束も果たせるし、一石二鳥じゃない?」》

なるほど。

「うん、確かにそうだね!ありがとう庵くん!明日みんなに聞いてみるね!」

《「いえいえ、どういたしまして」》

「そうだ庵くんも一緒に行かない?」

《「せっかくのお誘いだけど、俺は遠慮しとくよ。苑のことは家でも祝えるしね」》

「そっか!あ、そう言えば駅前にできた新しい喫茶店、すごくおいしいって評判なんだ!今度一緒に行こうね!」

《「もちろん。楽しみにしておくよ」》

「フフッ、それじゃあ私寝るね。遅くまでごめんね、おやすみ庵くん!」

《「おやすみ、沙和ちゃん」》

電話を切るとドッと睡魔が襲ってきた。

時計を見ると時刻は11時を指していた。








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