07
次は末っ子の展くん。
「展くん、久しぶり!」
「こんばんは、沙和さん。お久しぶりです」
「これ、私からなんだけど、よかったら受け取ってくれないかな?」
「ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして…ねえねえ、もしかして、お隣にいるのはひなたちゃんのご兄弟?」
展くんの隣にいた、ひなたちゃん似の男の子の存在が、先ほどからとても気になった。
「あ、はい!はじめまして!早乙女太陽です!あの、モデルの井上沙和さんですよね!俺、ファンなんです!握手してもらってもいいてますか!?」
「こんばんは、太陽くん!井上沙和です!もちろん!」
よろしくねの意味もこめて、握手をした。
太陽くんともひなたちゃん同様、ご飯の約束と、連絡先を交換した。
それよりも、早乙女遺伝子はすごいです。
顔だけじゃなく、言ってる言葉もほとんどひなたちゃんと同じで少し面白かった。
―――−−−…
「けーんくんっ!これどうぞ」
最後は、キッチンにいる軒くんのところ。
軒くんとは料理の話のことで話が盛り上がる。
「わっ!これ!いいんですか?!」
「もちろん!私からのクリスマスプレゼント!あ、あとうちのマネージャーから、みんなで食べてくださいってケーキも預かってきたよ!」
「ありがとうございますっ!マネージャーさんにもお礼言っててもらっていいですか?」
軒くんの反応は想像以上によかった。
「もちろん!こちらこそいつも美味しいご飯をありがとね!」
「沙和さんだって、料理上手じゃないですか」
「軒くんにそう言ってもらえると、嬉しいな!」
「俺もまだまだですね」
いやいや。そんなことありません。
と、心の中でひっそり言った。
「あ、沙和さん、コーヒー入ったんでどうぞ」
「ありがとー!」
「あと、庵兄にも渡してもらってもいいですか?」
「うん!持っていくね」
マグカップを両手に持って、庵くんの元に戻ります。
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