nonstop desire

「name1ってさ、よくベイクラブのコーチ務まるよね」
「ん?」

昼休み、友達とお昼ご飯を教室で食べていると佐野ちゃんが溜息をつきながら話し出した。鵜沢ちゃんもうんうん。と頷きながら、「私だったら耐えられないよ」と机に散らばせたお菓子を適当に取りながら、話す。

「何か秘訣とかあるの?」
「うーん。特にはないかなぁ?」
「あー。けど、名前って元ベイブレード世界チャンピオンなんだっけ?」
「うん。まぁね…」
「なるほど。そりゃ、務まるわ」

納得したように二人は「解決してよかったわ」と言って安心したように言うが、佐野ちゃんは「けど、名前に何かあれば言ってね。私速攻で行くから!」と肩を掴まれ言われた。私は「ありがとう。その時は言うね」と言い、その場を流した。


授業も終わり、今日もベイクラブにコーチをしに行こうとして米駒学園の校門を通り過ぎ去ろうとすると、男の子たちが「今日、ソーチョーとあの転校生が河川敷でバトルするんだってよ」と噂していたのを耳にした。河川敷でソーチョーとバトル?また100人抜きバトルみたいな無茶なバトルをしちゃいけない。私は河川敷へと急いだ。
河川敷へつけば、へなへなになったアイガとソーチョーがいて草原に倒れていた。

「あ。名前」
「もうそんな無茶なバトルをして。二人ともへなへなじゃない」
「うるせー。乱ベイ組ルールに乗っ取ったまでだい」
「そーだそーだ」
「はぁ…。で、どっちが勝ったの?」
「どちらとも、引き分けだったよ」
「そうなんだ…。で、こんなへなへなになってるわけね」

私はソーチョーとアイガの元へ行くと、頭を撫でた。二人ともきょとん。とした顔で私を見る。

「二人とも、無茶なバトルだったけどよく頑張ったわね」
「そ、そうか?」
「当たり前よ。けど、赤刃アイガ次こそは勝ってやるからな!」
「おう。俺こそ、負けねぇからよ!」

バチバチと火花を散らす二人を見て、私はバトルを楽しんでいたことを思い出す。あの頃はすごく楽しかったなぁ…。私は夕暮れの空を見ながらぼんやりと思い出にふけった。
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