nonstop desire

放課後、いつもの様にベイクラブへ寄ると日夏ちゃんが駆け寄ってきた。

「祢音、やっと来た」
「ん?どうしたの?」
「今、100人抜きやってる子が来ててね、助けてほしいの」
「100人抜き!?」

私は慌てて体育館の中へ入ると、ちょうど勝負が終わったようで、常夏が悔しそうな顔をしていた。「どこだ!?フブキと戦わせろ!?」と言っている少年に私は近づき、その子の肩を掴む。すると、怒ったような顔をして私を睨みつけた。

「何だよ」
「君、100人抜きとかやっていないで、ちゃんと一人一人の相手をしたらどうなの!?」
「うるせー。お前には関係ねぇ!フブキと戦わせろー!?」

ブン。と勢いよく振りほどき私の話をまったく聞かない少年に、怒りを覚え気づいたら勢いよく少年の頬を叩いていた。驚いた顔をする少年に対し、私は「じゃぁ、私と戦おう」と勝負を挑んだ。

「へっ。いいぜ。どうせ、俺が勝つけどな」
「どうだか」
「常夏、審判頼める?」
「了解。じゃぁ、お互い構えて」

私はスタジアムの前に立つと、鞄からランチャーとベイを出してセットをする。3・2・1・ゴー!シュート!という皆の掛け声で私はスタジアムに勢いよくベイを放った。
少年のベイは私のベイに勢いよくぶつかろうとするが、私のベイはその動きを軽々と交わしていく。

「何でだ!?」
「それはね、動きを読み取っているからだよ!!いけ!!マーメイドソルジャー!!」
「なっ」

私のベイは勢いよく、少年のベイにぶつかっていき少年のベイをバーストさせた。少年はわなわなと震え、慌ててバーストしたベイを拾い上げた。

「すげぇ!一瞬でバーストさせた!」
「やっぱり、元世界チャンピオンだけあるな!」
「久しぶりに名前さんの勝負見たけど、腕衰えてないんだな!」
「元世界チャンピオン?」

少年が驚いた様子で私の方を見たが、ちょうどそこへフブキとスオウが姿を現した。

「出てきやがったな墨江フブキ。俺は赤刃アイガだ。これが俺の相棒ゼットアキレス。俺と戦え!おめぇを倒して俺が日本一になる!そして、世界で蒼井バルトを倒すんだ!」
「俺は大口を叩く奴が嫌いだ!その自信なくしてやる!」

一気に皆の視線は私からフブキへと変わり、私はベイを拾い上げこちらにやってきたフブキの肩を叩いた。

「頼んだよ。キャプテン」
「名前もあいつをバーストさせたんだろ?俺もあいつをバーストさせてやる!」

フブキと赤刃君はランチャーを構えると、掛け声と共に勝負に挑んだ。結果はフブキのバースト勝ちで、その後疲れたように赤刃君はその場で寝込んでしまった。
私は学園長に頼まれ、赤刃君を背負うと妹であるナルちゃんという子が駆け寄って来て、私たちは寮へ向かうのだった。
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