あなたからキスして(バルト)


「くしゅんっ」
「何だ、名前姉ちゃん風邪かー?」

鼻を手で押さえ、くしゃみをすれば心配そうにバルトが顔を覗き込んでくる。日本は梅雨シーズン真っ盛りだ。多分、気温の変化で体調が変わったのかもしれない。自分の部屋にある体温計で計るも、平熱で誰かが噂を流しているのかもしれない。そうなのかもしれない。

「大丈夫か?」

ピトッ。とおでこをくっつけて、心配そうに顔を伺ってくる。も、恋人は恋人でも今は私の部屋で二人っきりだ。理性がいつ崩れるか分からない。私は大丈夫。と言って、バルトから離れる。

「なんで、離れるんだよ。もっとイチャイチャしようぜ」
「イチャイチャって…」
「なんだ、嫌なのか?」
「嫌ではない…。けど…」
「けど…?」
「バルトからキスをしてくれるまでは教えません」

そういうと、バルトの顔が一気に赤くなる。やっぱり、まだまだ若い。私はバルトの顔を覗き込むように見ると、バルトは顔を真っ赤にしながらも目を瞑りキスをしてきた。

「や、やったんだから教えてくれよ!」
「分かった。教えるね」

一気に顔を明るくしたバルトをベッドに押し倒しす。さようなら、私の理性。私はごめんね。とバルトに謝りながら、彼の唇を貪り始めた。