「開けていたのか」
「んぅ?」
訓練の休憩中にルーウェイに耳をふにふにと触られていたが、穴のことか。そうだよー。と言いつつ、食べ残していたパンを全部食べきる。
「痛くはなかったのか」
「最初開けるときは痛かったけど、今は平気だよ」
「そういものなのか」
興味深そうに私の耳を見続けるルーウェイの視線が痛い。というか、耳をずっと触られていたら、くすぐったくなってきた。
「くすぐったいから、触るの終了ー」
私はルーウェイの手を耳から離すと、握った手にぐっと力が込められる。
「くすぐったいんではなく、感じたからではないのか?」
「なっ」
耳元で喋られて、ぞくぞくする。すぐに離そうとしたけれども、年下だと思って見誤ってたのかもしれない。やはり、男の子でも私より力が強くて簡単に押し倒される。
「まだ練習再開するのには時間がある」
「ちょっ、まっ、んっ」
ルーウェイにすがるようにキスをされて、私は応えるしかなかった。