我ながら、俺は中々の独占欲を持っていると思う。テニスにしたって「常勝」というトップの位を常に維持してないと気が済まない。
あれもこれもって何処か子供じみた行動だけど、ほら?俺って生まれつきのジャイアニズム持ちなんだよね。だから仕方ない、うん。
「集中せんか、幸村!」
「あー、もー、真田煩い。真田のせいで余計に集中力途切れたー。あーやる気でーなーいー」
因みにワガママ。
うん、これは自覚してる。
だけどこれは、皆に甘えてるんだよね。なんだかんだで、泣きたくなるぐらい皆優しいんだもの。
「なっ…!?」
「いちいち腹立つなあ、お前」
苦笑まじりで真田の腹をラケットで突いてやった。くそ、なんか無駄に筋肉あるな、無駄に。白石に斬ってもらおうかな、うん。
「あーダルい。俺、休憩してくるから。邪魔すんなよ」
「…う、うむ」
傍若無人な。
と言いたげな真田には悪いが、俺は今機嫌が悪いんだ。ごめんよ。
理由は簡単だ。
俺の幼馴染み(つまり真田の幼馴染みでもある訳だ)は、半ば真田の命令でテニス部のマネージャーをやっている。俺がいくら頼んでも断り続けてたアイツが、だよ?
なんっで真田なんかの言う事聞いちゃったわけ?俺、あの日から、ずーっと納得行かないんだけど。
「呪ってやるからな真田」
ありがたく思えよ。
ベンチにドカッと腰をかける。
視線の先はマネージャー。ついでに、真田。仲良く喋ってやがる。
「…つまんないなぁ」
昔はアイツの隣で笑ってたの、俺のはずだったんだけどなあ…。
最近は、マネージャーになった件について、俺が勝手に腹立てて、アイツと喋ってないって言うのも大きな理由なんだろうけどね。
「……本当に呪ってやる」
そこは僕のポジション
今すぐにでもアイツの手を引いてやって、「真田とより俺と喋ろ」って言ってやりたい。ただ珍しく行動に移せない俺。どうしたよ。
ただ真田ムカつく、マジで。
これが人が言う嫉妬ってやつか。