「精市…ちょっといい?」


君が僕を頼ってくれるのは、嬉しい


「赤也と喧嘩しちゃって…」

だけど、僕を頼るのはいつだって君の彼氏のこと

「うん、どうしたんだい?」

でも僕は話を聞く
君のよき「お兄ちゃん」役でいるために











「…赤也が、告白はっきり断ってくれないから……友達からだなんて常套句に乗せられて」



もう赤也、何をやってるんだい?
こんな可愛い彼女がいるのに


「私のためっていうけど…赤也の彼女って言えないことの方が、辛いんだよぉ…」


僕ならそんなことしない
どんなことがあっても堂々と守るから

なんて言いたい言葉はたくさんあるけど、どれもいえない
彼女は本当に赤也が好きだから



「大丈夫…赤也は自分の彼女を一番大切にするやつだよ、もっと自信持たなきゃ」


「やっぱり俺らが言うのもなんだけど、レギュラーの彼女って狙われるんだ」


「ブン太の彼女も、仁王の彼女もそれで追いつめられた」


「赤也はそれを見てるからこそ、傷ついてほしくないんだよ」




そういっていつものように彼女の頭を撫でると泣いている彼女は力がぬけたへにゃりとした笑みを見せる


「精市を好きになればよかった…」


その言葉にこれ以上なく僕の胸は締め付けられる








好きになってよ
俺しか見ないで
俺を愛して…







行動を起こせば、何か変わったかもしれない
でもそれでもっと悩んで…僕に謝る彼女を見たくはない


「そんなこと言ってないで…もう一度赤也と話さなきゃ、僕からも言っといてあげるから」



外周何周がいい?なんて笑いながら彼女に聞けば泣きながらたくさん走らせて、なんて言った


分かったって言いながら頭をやさしく撫でると、彼女が僕の方にもたれかかってきた
胸のあたりが規則正しく上下している


「寝ちゃったか…ホントに僕のこと男として意識してないよね…」




彼女の顔に流れている涙

「…ごめん」



寝ている彼女の唇に自分の唇を合わせる

そして唇を離してから彼女の涙をタオルで拭った



「…愛している」



結局僕は弱虫で臆病なのかもしれない
寝ている彼女にしか、行動を起こせないんだから









君に届かないこの言葉を
僕は、何度でも嘆く

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