曖昧ミーマイン

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古市は弱い。そりゃもう壮絶に。
そんなこと言ったら「お前が強過ぎるんだよ!」とか言ってきそうだが言わせてもらう。譲らん。古市は弱い。

「激弱もやしっ子の古市君や」

生っ白い肌をした肉付きの悪い古市君は、目を細めながらこっちを見た。

「誰がもやしっ子だ」
「激弱は否定しなくていいのか?」
「俺は知将だからいいんだよ。戦闘向きじゃねーの」

コイツの頭脳が役に立ったことが今まであっただろうか。俺の記憶の限りでは、ない。
とにかく古市は弱い。弱いくせに俺の周りをうろうろしてるもんだから、たまに狙われる。拉致られたこともあった。それなのに俺から離れないコイツは馬鹿なんだろうか。もしくはドM。

「何、お前ドMなの?」
「おいコラ待たんかい!何でそういう話になった!?ドMじゃねーし!」

俺に殴られても歯向かって来るし、普通に喧嘩するし。負けるとわかっててそれでも喧嘩を売ってくる意味が全く持ってわからない。

「俺といる時点でドMだろ」

古市に降りかかる災難の原因は大概が俺だ。俺と関わっていなければ平穏にモブAとして人生を終えていたのではないだろうか。割りと本気でそう思う。まさか古市はその可能性に思い至っていないとでも?いやいや、そんなまさか。いや、でもコイツ馬鹿だし有り得ない話でもない、か?

「古市、お前……馬鹿なのか」
「馬鹿に馬鹿って言われたくねえええ!」

弱い古市は俺にびびることなく、そんなことを言う。変な奴だよなあ、と思う。弱くてお人好しで女好きの変な奴。
だからこそ俺の近くにいるんだろうか。それならずっと変な奴でいればいいと思……なんか告白みたいだな。


条件なんてつけないで


べる坊不在という謎シチュエーション

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