曖昧ミーマイン

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世の女性の皆様方は、バニーのことをかっこいいと言う。まあ、整っているんだとは思う。でもそこまで騒ぐことはないんじゃないかと、思ったりするわけですよ。おじさんは。

「なんですか、さっきからじろじろと」

じいっとバニーちゃんを見続けてたら、文句を言われた。もっと前から気付いてたんだろうけど、あまりに俺がしつこく見てたから言わずにはいられなかったんだと思う。うん、ごめん。

「いや、かっこいいなと思って」
「いきなりですね」
「さっき女の子が騒いでたから」

唯一顔出ししてるヒーローだからってのもあるんだろうけど。それでも顔がいいのは事実だ。だから女の子はバニーが好き。楓も大ファンだ。

「はあ、そうですね」
「そうですねって……」
「ファンは有り難いですけど、それ以上は僕からは何とも」

ドライだ。こういう好意には慣れているんだろう。まあ、学生時代からファンクラブがあったらしいし。典型的なモテ方をする。

「何か不満ですか?僕が人気なのはいいことでしょう。コンビですから」
「まあ、そうだけどな」

それまで俺の方を見ずにパソコンをかたかたとやっていたくせに、俺が言葉を濁したところでようやくこっちを見た。

「僕がかっこよくて、虎徹さんもどきどきしますか?」

何を言うかと思えば。確かにバニーちゃんはかっこいいとは思うけど、好みの顔ってわけじゃないし。

「いんや、別に。いい造りしてんなあ、とは思うけどな」
「……ドライですね」
「そうかあ?おじさんの感想なんてそんなもんだろ」

具体的に言うなら睫毛が長いなあ、とか。でもやっぱりそれ以上の感想は浮かばない。とりあえずどきどきはしない。

「そうですか、わかりました」

それだけ言うと、バニーちゃんは視線をパソコンに戻す。え、それだけ?それで俺との会話終わり?

「虎徹さん、雑談をするなとは言いませんが少しは手も動かしてください」
「うげ。……手伝って?」
「かわいこぶるのやめてください」

ぴしゃりとはねつけられた。それでも最終的には、文句を言いつつ手伝ってくれるんだろうからそれに期待しておこう。


イケメン使いのずれ


イケメンな自覚がある兎と兎がそこまで好みでもない虎

2012.10.02

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