曖昧ミーマイン

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お前って米良には敬語使わねーよな、年上なのに。

「と、以前に巧美さんに言われたことがあったな」

唐突ではあるのだがそんなことを思い出した。年上には必ず敬語を使うが、確かに米良には使っていない。

「そういえば最初から俺には敬語使ってなかったよね」

過去回想でもしているのか、米良は目を細める。そう昔の話でもないだろうに。

「そういえばそうだな」

思えば最初から米良には敬語を使っていなかった。年上なのは間違いなかったのだが、敬語を使う雰囲気でもなかったのだ。敬語を使うのに雰囲気も何もないとは思うが。
最初から使っていなかったから今更使うこともないかと思っている。米良も気にしている様子はなさそうだし。

「敬語、使った方がいいか?」

どちらでも俺は構わない。本来年上には敬語を使うべきだ。今更といった感じはするが、相手が希望するなら使うべきだろう。だが米良は即座に否定した。

「このままでいいよ」
「……そうか」

米良がそのままでいいと言うのならそのままにしておこう。
そうやって納得してこの話を終えようとしていたのだが、米良がこっちを見てふにゃりと間の抜けた笑みを浮かべた。俺には絶対に出来ない表情だ。

「俺だけって、なんか特別な感じするしね」

まあ、確かに特別と言えば特別だが。よくわからないが、米良が嬉しそうにしているのならそれでいいか。


特別な特別枠


2012.08.28

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