曖昧ミーマイン

http://nanos.jp/bisuge/



香織は相当に可愛いと思う。
その可愛さについて語り尽くしてもいいんだけど流石に香織に怒られそうな気がするから自重しておこう。

「米良、その番組楽しいか?」
「うん?まあまあかな」

久しぶりの休日で特にやることもないからテレビを見て何気なく二人で過ごしてる。そんな時に香織がそんなことを何気なく聞いてきた。目は心なしか泳いでいて落ち着きながない。

「退屈?チャンネル変えようか?」
「そういうわけじゃない」

きっぱりとそう言うわりに香織は相変わらず落ち着かない。言い切ったからには退屈なわけではないんだろうけど、それならなんだろう。テレビ画面を見つめてみても答えは見えない。
テレビ画面ではお笑い芸人がショートコントを繰り広げようとしているところで、いよいよ香織はおろおろし始めた。そこでようやく香織の考えていることがわかってチャンネルを変えた。

「う、……悪い」
「仕方ないよ、誰にだって好き嫌いはあるんだし」

申し訳なさそうにしている香織の頭を撫でる。そんな生真面目にならなくてもいいと思うんだけど香織に生真面目になるなっていうのが無理な話なんだろう。
あのお笑い芸人はかなり下ネタの激しいコントが多い。巧美ちゃんとか濃い下ネタを連発する人と関わりがあるのに香織の下ネタに対する耐性は極端に弱い。どうしても回避出来ない時なんかは俺を掴んでなんとか耐えてるみたいだけど。その時の真っ赤になった顔が可愛いっていうのは言うと怒るだろうから言わないでおこう。

「……米良」
「なーに」

やっぱり申し訳なさそうにしてる香織はもう一度謝罪を口にした。放っておくと何回も謝られそうだったので香織を抱き寄せて無理矢理黙らせてみる。

「米良、苦しい」
「あ、ごめん」

それでも逃げようとしない香織は耳が赤くなっていてやっぱり俺は可愛いと思ってしまった。


甘え下手な恋人


2011.02.19

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -