曖昧ミーマイン

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オレが一言発すればあっさり解消されてしまう問題。そのeasyな問題にこそ、オレは悩まされていた。easyすぎるからこそ、オレには手が出せない。

「政宗様、何をお考えで?」

小十郎は考え込んでいるオレに何かを感じ取ったらしい。普段はそんなことを聞かないくせに、今日に限ってはそんなことを聞く。

「さあ、何だろうな」

悩みの種である小十郎は正座でオレから適度に距離を取っている。お前のことだと言えれば楽だが、そうするわけにもいかない。
オレと小十郎は主従関係にある。だからこそオレは発言に注意を払う必要があった。オレの一言一言は小十郎からすれば命令だ。小十郎くらいになると無茶な命令には反論してくれそうだが、それでもだ。
オレは当主で、小十郎は従者で。それは間違えてはいけない。だからオレはそれを発することはない。言ったが最後、その言葉は強制力を伴う。

「それより小十郎、野菜は見に行かなくていいのか?」
「いえ、そろそろ行って参ります」

そう言って、小十郎は立ち上がる。オレの様子に気付いていないはずがないが、それについて何も言及して来ないのが小十郎だ。教えて下さらないのなら俺が知る必要のないことだと判断されたのだろう、とか何とか。そんなことを思ってそうだ。

「ああ、行って来い」

その信頼を背負って、オレは小十郎を見送る。姿が完全に見えなくなったところで、溜息を吐いた。

「はあ」

お前が好きだ、なんて言えるわけがない。


very very easy


どこまで英語を使っていいのかがわかりません

2012.02.03

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