曖昧ミーマイン

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何度見送ったことだろう。
エクソシストは数が少ない分多忙で顔を合わせることが少ない。おまけにユウは自分から会いに来るような性格でもないから俺が足を運ばない限り、食堂くらいでしか顔を合わせない。だから俺は暇を見つけてはせこせことユウのところに足を運ぶわけだけど。

「ユウ、また出るさ?」

さっき任務から戻ってきたはずのユウは脱いでいたはずの上着をまた着始めていた。ついさっき来たばかりの俺はと言えばユウが出るならここにいる意味はなくなるわけで。だから入口付近に立ってユウの行動を眺めている。

「ファーストネームで呼ぶな」
「じゃ、神田ユウ」
「刻むぞ」
「ごめんなさい」

いつもなら問答無用で抜刀するくせにユウは睨みつけてくるだけ。時間に余裕がないんだろうと思う。やっぱり出るのか。また任務だろうか。でも俺には何の声もかかってない。

「俺も行こうか?」
「お前は呼ばれてないだろ」

敵がはっきりしているなら相性の良いエクソシストが送られる。今回はそのパターンなのかもしれない。ユウのイノセンスはよく斬れるから、硬い敵とか。そうだったら俺が行っても無駄だろう。

「連続で出て大丈夫なんさ?」
「怪我治ってんだから問題ないだろ」

ユウの言う通り、前回の任務で負った傷は完治している。でもユウの治癒能力は身体にしか働かないはずだから疲労は蓄積されているはずだ。そんな状態で果たして大丈夫なのだろうか。任務はそんなに甘くないはずだ。そんなことを言っても任務がユウに来ている以上はユウが行くしかないんだけど。
上着を着たユウは六幻を腰に差してから自室を出る。入口にいる俺は当然のように無視だ。いつものことだから俺はへこまない。

「気をつけて」

俺が手を振るとユウは一瞥だけしてどこかへ行ってしまった。多分コムイのところだろう。
最初の頃は一瞥もしてくれなかったからそれを思えば進歩だ。返事が返ってくるようになるまでの道のりは長そうだけどそれはそれで楽しいんじゃないだろうか。

「ユウってば難しい……」

あのユウと普通に話が出来るようになるにはどれくらい付き纏えばいいんだろう。


きっと一生じゃ足りない


主旨が行方不明。

2011.07.31

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