曖昧ミーマイン

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※にょでぃの















「きょーやっ!」

先手必勝とばかりに、応接室に入るなりがばりと抱き着いてみる。流石の恭弥も対応しきれなかったようで、抱き着くことに成功した。と、そこまでは予定通り。ここからが予定外だった。

「わ、わわっ!」

抱き着く時に勢いをつけ過ぎたらしくて、恭弥の身体がぐらりと傾ぐ。今更離れることも出来なくて、結果恭弥と一緒に派手に転倒した。

「いっ……たぁ……」

転び方が良くなかったみたいで肘を思いきり打った。でもまあ、下敷きになってる恭弥よりは全然マシだと思う。

「きょ、恭弥……?」

恐る恐る声をかけてみる。恭弥は呻き声のひとつも上げてないし、俯せだから表情もわからない。でも怒ってることは間違いない。これで怒ってなかったら恭弥じゃない。影武者だ。ジャパニーズ忍者だ。
で、案の定恭弥は怒ってた。

「……今すぐ退け。咬み殺す」
「ひっ!」

本気だ。恭弥から阿修羅が見える。怖い。
とりあえず早くどけようと床に手をつく。そうしたせいで一旦恭弥に密着することになってしまった。大して気にはしてなかったが、恭弥がびくりと震えたので一度動きを止める。

「恭弥?」

どうした、打ち所でも悪かったか。心配で覗き込もうとすれば、トンファーが振り上げられた。

「どわっ!」

反射的に避けて、後ずさる。そうやって離れたところで恭弥がようやく立ち上がった。

「あぶねっ……何すんだ!」
「貴女こそ自分の性別を気にかけたらどうなの」
「へ?」

恭弥は人を殺しそうな目でこちらを睨む。何のことかな、と自分に視線を巡らせてから、ようやく気付いた。

「お前、もしかして胸が当たって意識したりとか」
「咬み殺す」

苛立ちと照れ隠しとはいえ、全力でトンファーを振りかぶって来る恭弥は凶悪としか言いようがない。とにかく今は小さな凶悪を避けるべく、全力で逃げ回ることにした。


リトルサイズの災厄


中学生らしい雲雀が書きたかった
にょでぃのの一人称が結局最後まで決まらなかった


2013.03.13

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