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当然の如く仕事をサボった。
土方さんあたりが烈火の如く怒り狂ってるだろうがたいして怖くないので問題じゃない。
「早く来過ぎたねィ……」
公園のベンチへ腰を下ろして息を吐く。こんなことならもう少しゆっくり来てもよかった。……まあ、どうでもいいけど。
あまり一カ所にとどまり続けるのは誰かに見つかってしまう可能性が高まるので避けたい。せめて相手が携帯でも持っていればいいんだがあの家は大黒柱さえ携帯を持ってないときた。父親に持たせてもらえばいいものの、とは思うがきっず携帯なんかを持たせられそうな気がする。少ししか見たことはないがあの父親は間違いなく過保護だ。
そこまで考えたところで番傘が閉じる音。それから地面を勢いよく蹴る音が耳に届いた。
「ほわちゃァァァァ!」
いきなり上空に出現した奴は先端を下向きにして構えた番傘を俺に向かって落下しながら突き立てる。防御しようかと考えたが流石に厳しい気がする。ベンチから転がるようにして離れれば次の瞬間、番傘によってベンチが大破した。加減ってものを知らねェのか。
「遅刻した上に奇襲たァ喧嘩売ってんのかィ」
「何言ってるか。私は五分前行動してるネ。お前が早く来過ぎなんだヨ。さてはお前遠足楽しみにしすぎて夜寝られない奴アルな」
「俺より遅く来たらもう遅刻だろィ」
「そんな俺様ルール私には無効ネ」
待ち合わせて数分と経ってないのに喧嘩が勃発する。まあ、いつものことなので気にしない。ここで適度に汗を流すところから計画は始まってる。
「おいチャイナ。何が食いてェ」
「酢昆布」
「もう食ってるだろ」
「じゃあ大トロ」
「いきなりレベル上げんな。……ファミレスだな」
「おい、大トロって言ったネ!聞けよサド!」
相手からの渾身のパンチを軽く受け流しながらそんな会話をする。ついでに渾身の蹴りを見舞ってやったが外れた。
御題提供元「高感覚英雄劇。」
2011.02.19