曖昧ミーマイン

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愛しているのだと告げたとして、良い変化が訪れるとは考えられない。そもそも自分にとって良い変化とはなんだろうか。

「トシ、聞いてる?俺の話聞いてる?」
「ああ、聞いてる聞いてる」

絶え間無く続く話は近藤が惚れ込んでいるあの女の話に終始している。それを根気よく聞くのは、近藤の信頼を得るためにほかならない。

「でな、お妙さんが言ったんだよ!ありがとうございますって!」
「へえ」

妄想も含まれているのではあるまいな、と疑いながらその話を聞く。

「それでアンタはどうしたんだよ」
「おう、それでな……」

本当に楽しそうだ。近藤が楽しそうで何より、と素直に思えないのが複雑なところだ。そんなこちらの気持ちも知らずに近藤は嬉しそうに話を続ける。

「……アンタは本当に楽しそうだな」
「楽しいぞ!お妙さんがいて、トシや総悟がいて、これ以上の幸せはない!」
「……」

嬉しそうにそう断言する近藤に頭痛を覚える。

「……なんていうか、アンタわざとやってんのか」
「ん?何が?」
「……なんでもない」

別に慣れているからなんともないけど、近藤はやはり無自覚に酷いと思う。近藤の幸せに俺も含まれているのか。ああ、なんというか……。

「降参……」
「え?」
「いや、こっちの話」


両手を挙げて


近土は甘々希望


2010.05.15

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