曖昧ミーマイン

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愛の結晶の結果が子供だというならばやっぱり子供は欲しい。
そうだな、男と女を一人ずつがいい。女の子は私似で男の子は新羅似。一生懸命後をついてくる弟を仕方がないな、って思いながら待ってあげるお姉さん。
二人が喧嘩をしたら新羅がまず口を挟むんだ。それで威厳なんてないからすぐに二人に新羅が怒られる。そんなところに料理を作っていた私が登場して、それから……

「どうしたんだい、セルティ。さっきまでなんだか楽しそうにしていたのに」

私には首がない。それなのに私の落ち込みを感じとったらしい新羅は私の顔(にあたる部分)を覗き込んできた。

『なんでもない』

素早くそう打ち込んで新羅に見せる。
言えるわけがない。平凡な未来に夢を膨らませて、無理だとすぐに気付いて絶望したことなんか。

「そうは見えなかったんだけどね。ま、セルティが言いたかったらいつでも言って」
『わかった』

新羅はどことなく不満そうな顔をしていたけれど、私は新羅の優しさに甘えることにした。もっとも、新羅に本当のことを話しても「僕はセルティがいればそれでいいんだよ」なんて真顔で言ったあげく私の魅力とやらを延々語って私を安心させようとするに違いない。

『新羅』
「なあに、セルティ」
『やっぱりお前は馬鹿だ』
「え!?」

途端に慌てだした新羅を笑ってやりたい気持ちに駆られながらなんとか我慢して私は続きを打った。

『そんな馬鹿なお前だから救われている。ありがとう』
「……」

新羅が固まった。その反応だと私が滅多にお礼を言ってないようじゃないか。言ってるぞ!……いや、言ってた、か?あれ?

「セルティ!」

私が考えていると新羅がいきなり抱き着いてきた。いつもなら照れて殴っているところだけど、今回はやめておくことにした。


くだらない理想など、全て捨ててしまいなさい!

(貴方といるだけで私は幸せなのだから!)


新羅は悩むとかそういう次元はもう越えてると思います。20年の恋ですから。

御題提供元「高感覚英雄劇。」

2010.07.31

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