6.お昼ごはん
早乙女学園へ転入してから1ヶ月。
Sクラス以外にも友達ができて、デザインの勉強も楽しくてなんだか充実した日々を送っている。
「あたし、ハンバーガー。」
「友ちゃん、ジャンクフード好きだよね…春ちゃんは何食べるの?」
「あ、えと翔くんから勧められた乳製品セットを頼もうかと…。」
「うっわ、お腹壊しそう!」
私はカレーを頼み、みんなが待っているテーブルの席へと着いた。
「あっ!優子もカレーなんだっ。俺たち、気が合うね♪」
「音也くんもカレー?」
「うんっ!」
お昼は私とAクラスの友ちゃんと春ちゃん、音也くんに真斗くんに那月くん。
そしてSクラスの翔くんと一緒に食べるのが日課になった。
本当はレンくんやトキヤくんも一緒に食べたいけど、レンくんはデートで忙しいみたいでトキヤくんはアルバイトをしてるとか何とか。
でも時々、2人も加わって一緒に食べてくれる。
ーピンポーン、パンポーン♪
『今日のお昼の放送はBクラスの〜…』
学園内で流れる放送は、アイドル志望の生徒が交代でやっているんだとか。
トークや音楽を流したりして、密かにお楽しみタイムだったりする。
「あ…この歌、美風藍、だっけ?」
「っ!」
「ん?何固まってんだよ優子…おりゃ。」
翔くんにデコピンされて正気を取り戻した。
で、でもこのタイミングで藍ちゃんの曲を聴くことになるとは………
ちなみに、あれから私と藍ちゃんは早乙女さんから親睦会を強制的にさせられてお互いに名前で呼ぶことになった。
でも恥ずかしいから"藍ちゃん"と呼んでいる。
藍ちゃん本人は「普通に呼んでよ」って怒ってたけど、"藍くん"は何かこっ恥ずかしい。
「俺はやっぱ日向先生がイイ!」
翔くんの日向先生トークが始まり、その日の昼休みは潰れた。
翔くん、本当に先生好きだなぁ。
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