45.突然の手紙
「すげー偶然だろっ?」
にこにこ と笑う翔くんを前に呆然と立ち尽くしていると突然教室の床がパカッと開いた。
「ハハハハハー!果たして本当に偶然ですかネーー!!」
「「「が、学園長…!!」」」
やっぱり正体はこの人だった。
「どうゆうこと?」
「…わからないんですか、音也。」
トキヤくんがちらりと私を見つめると、ズバリと言い当てる。
「七瀬くんの御家族が経営者…ということですね?」
「おっ…お母……さんが…。」
「えぇっ!?本当にっ?!」
私は小さく頷いた。
すると翔くんが思い出したかのように1枚の冊子をカバンから取り出した。
「じゃあ、この人が…このブランドのデザイナー 七瀬莉香さんが優子のお母さんなのか?」
「うん。」
「レディに似て可憐な女性だね…って似たのはレディの方か。」
そう言ってレンくんが私に詰め寄ってきたけど翔くんが「この女ったらしがー!」と突っ込む。
やっぱり翔くんはこう元気な姿が似合うね!
「そのマザーからYOUに手紙が届いてマース!近々、我が校の見学に来るそうデス。」
「見学って…、…」
手紙の封を開けると、
『ー…優子へ。
毎日ちゃんとお勉強してる?
ご飯もちゃんと食べてる?じゃ●りこばっか食べてないでしょうね!
そうそう!
実はすこし前にシャイニング事務所のアイドルさんのイベントで我が社のブランドを使って頂けることが決定しました。
という訳で、学園の方にも色々と用があってお邪魔することになりました。
シャイニーさんって
すっっっごく大きいのね!!
PS:…もしかして、アイドルの彼氏とかいたりするの? 母より。』
・・・と書いてありました。
っていうか手紙の最後の一行何コレッ!?
そんな訳で、手紙の通り母が学園へやって来る日程が決まりました。
マンションに帰って、当たり前のごとくやってきた藍ちゃんにそのことを言うと……
「お母さんが…?じゃあ僕も学園に行く。」
「ちょ、何言ってるんですか!」
「だって、僕は君の恋人だから挨拶しないといけないでしょ?」
「…!」
私はじんわりと汗をかいた。
春はまだまだ遠いようです。
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