13.安眠効果?


ー…じゃあ、どうして?


そう聞かれて自分でも何で嬉しいのかがよくわからなかった。

でも、藍ちゃんがいた方が安心するし…1人だとちょっと寂しいし。

素直にそう伝えると、藍ちゃんはため息を吐いた。



「まあ、恋愛禁止令もあるし馬鹿なくらいで丁度いいや。」

「???」

「……………。」



藍ちゃんに急に手招きをされ、そう遠くない距離から更に近くへ寄る。

そして再び、抱きしめられた。



「へっ!あ、あああ、あの、また風邪か何か…!?」

「ホント、馬鹿じゃないの。」

「え………?」



私を抱きしめたまま、優しく髪を撫でる藍ちゃんが耳元で呟いた。

「気付かないなら、いいよね。」

って、そう言った。

意味はわからなかったけど、何だか寂しそうな声だった。



「安心したら、眠くなった…。」



パッと私から離れた藍ちゃんは欠伸を漏らして自分の部屋へとスタスタと行ってしまった。

リビングに取り残された私は鏡に映る自分の赤い顔を眺めながら、ドキドキと鳴り響く脈を感じていた。

藍ちゃんは本当に読めない人だ。



「"安心したら"………?」



私、安眠効果あるの??




次の日、音也くんが・・・


「最近眠れなくって困ってるんだよねー。」

って言うから念を送るようにじっと見つめてみた。

だけど音也くんは、

「え、えっ、なに!?///」

と顔を赤くするだけで特に効果は無いようだった。

翔くんやトキヤくんも似たような反応だったけど、那月くんやレンくんに至っては身の危険を感じた。

真斗くんはと言えば、

「どうした七瀬、睨めっこか?」

なんて頭を撫で撫でされた。

違うってば!

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