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翌日、眠い目をこすりながら教室に入った。
興奮して寝られないなんて、テニスの試合でも経験ないのに。
席に着くと案の定、元気印の英二が話しかけてきた。
「不二ぃ〜。なんか眠そうだにゃ」
「そんなことないよ」
「そうかにゃ〜。あ!さては1限目からテストだから勉強してたんだにゃ!」
「ふふ。そういうことにしておくよ」
古典の教科書を目の前で見せると、彼は大げさにお腹を押さえた。
「いたたた。急に腹痛が・・・」
「はいはい」
英二の勉強嫌いも困ったものだな。
教科書をぱらぱらとめくると、目に止まった写真。
正岡子規の短歌のページにある藤の花だった。
名前も知らない彼女を思い出して、思わず顔が熱くなる。
早く声が聞きたい。
昨日の今日でおかしいかもしれないけれど。

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