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「はい、着きましたよ。お嬢様」
「え・・・」
そのときほど、絶句したことはありません。
目の前には単身用アパート。
まさしく、私が住んでいるところで。

「あ、あの・・・。どうして・・・」
演技なんかじゃなく、本気で声が震えた。
シャレにならない。
「知りたい?」
にやりとした笑みに悪寒が走る。
手を振りほどいて自分の部屋へと走る。
早く鍵を!!
急いで鞄の中を漁るが、なかなか見つからない。
その内に、ゆっくりと階段を上ってくるストーカー。

「ふふ、お探しのものはこれかな?」
そう言ってかざされたのは、かっぱ寿司のキーホルダーが付いた鍵。
恐怖のあまり答えることができない。
「返してほしい?」
必死に何度もうなずいた。

このシチュエーションってやばいよね。
絶対返してくれないよね。
絶体絶命ってやつだよね。

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