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「ふふ、楽しいね」
一直線に家路に向かったのに、なぜかついて来るんですが。
まったく楽しくないんですが。
早足の私にぴったりと合わせてくることが悔しくて、睨み付けそうになる。
だめだ、落ち着くんだ。
私は今、清楚清楚清楚清楚。

「うふふ、楽しいですね。でも私、男性とこんな風に歩いたことがないので・・・」
「へえ、そうなんだ。じゃあ手も繋いだことない?」
さり気なく、自然に絡まった指。
細くしてしなやかなそれに、心臓が跳ねる。
「僕がエスコートして差し上げます、お嬢様」

えっと・・・。
これ、ドッキリとかじゃないですよね?
私に恨みあるような人が、こいつに依頼したとかじゃないよね?
なぜだか身の危険を感じずにはいられない。

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