long | ナノ



「で、あのときどうして僕から逃げたの?電話無視したの?」
「え・・・っと・・・」
「言わないと1年記念日のデートはなしだよ」
意地悪く笑うと、名前は真っ赤になってむくれた。
「まさか、あんなところで会うと思わなくて・・・」
「うん。佐々部さんのせいだね」
「そうだけど・・・でも・・・。周助も悪いの!」
並んで歩いていた彼女が突然走り出した。
そして、くるりと僕の方に振り返る。
スローモーションで流れていく景色。
夕日に照らされた姿に目を細めた。

「周助があんまりかっこよくて!恥ずかしかったの!!」

大声で叫んだ後、カシャッとシャッターを切る音。
最近買ったという、君の手には大きなポラロイドカメラ。
してやられた。

出てきた写真にふたりして微笑みあう。
夕日より赤く染まった僕の顔。
お返しと言わんばかりにカメラを構えると、途端に逃げだす彼女。

「名前、待ってよ」
あの日呼べなかった名前を呼ぶ。
立ち止まった瞬間、この腕に抱きとめて。
控えめにキスをすると、幸せが溢れ出てきて。

この写真に誓うよ。
永遠に変わらない、君への愛を。

prev next
back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -