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どれだけの時間が経っただろうか。
いつの間にか佐々部さんはいなくなっていて、街灯が辺りを照らしていた。
光に照らされた藤は、いっそう綺麗だ。
カメラを構えて構図をチェックする。
下からのアングルだと、圧倒されすぎるかな。
かといって上から撮るのは難しい。
だとすると、真正面?
安直すぎるかな・・・。
試行錯誤を繰り返していると、ふと、フレームの隅に人影を見つける。
暗くてよく見えないけれど、背丈からして女性のようだった。

夜も更けてきたのに、どうしてひとりでこんなところに。
いぶかしがりながらも、なぜかカメラを構えた腕を下ろせない。

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