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目の前に広がる咲き誇った藤の花。
花房を垂らしたその姿は、予想以上に大きく迫力のあるものだった。

ギャラリー近くにこんな公園があったのか。
人気もなく、しんとしているけれど、どこか安心する。
そんな雰囲気を持っていた。
「好きに撮ってみてよ。仕上がったら、土曜日にうちに持ってきてくれないかな?お礼もするよ」
「期待に添えるか分かりませんが、やってみます」

被写体の観察を始める。
藤棚に巻き付いたつるは、まるで今にも動き出しそうなほど、生命力で溢れている。
下から見上げると、紫色のカーテンが目に降り注ぐ。
なんて美しいんだ。
幻想的な光景に、ただただ見とれる。

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