伸びる脚


私の上に覆いかぶさった利運さんが、息を切らして身を放した。
汗ばんだ身体の間にある熱に空気が入って、鎖骨のあたりがひやりとする。
「ごめん…折れた。」
体内にある利運さんのモノが硬度を無くしていくのを感じて、皺のある口元を指でなぞってみた。
顎髭には汗、特徴的な大きめの下唇には私の愛液がついている。
「いいの」
緩く引き抜かれたモノを太腿で愛でながら、愛しのおじさんに跨った。
ゴムを取り払い、独特のにおいがするベッドの上で惑わす。
「フェラさせて」
「ちょっ、いま萎えてるから…やめて。」
だらしない腹筋を押してシーツに寝かせてから、唇を奪う。
唾液と愛液が混ざる味が喉の奥でして、息を吐きだした。
咥えさせろと言われても楽しそうに舌を絡めてくるし、やめてと言いながら誘惑してくる利運さんを可愛いと思う。
唇、顎、首筋、胸と移動してペニスを舐めると、萎えながらも反応した。
「あは、びくびくしてる」
ペニスを咥える仕草を見せた途端、利運さんが穴でも開きそうなくらい私を見つめてきた。
こういう時は分かりやすい反応をしてくれるところが、利運さんの可愛いところ。

唇の裏側で雁首をひっかけ、舌先で亀頭を舐め回す。
先ほどまで私の中にいたペニスを愛撫しながら、利運さんを見つめた。
面白いくらいに私しか見つめていない利運さんは、下唇をぐっと噛み締めている。
あの大きめの下唇、舐めると柔らかくて気持ちいいんだよなあ。
そう思いながらフェラチオに励むと、先走りのようなものはダラダラと垂れ続けていて、私の口の中で徐々に勃起していく。
「なまえちゃん…エッロ…。」
利運さんのほうがエロいけど。
眠そうな瞼に反した眼光、だらしなさそうに見える唇、枯れを演出するかのような髭。
ただのおじさんのはずなのに、私は利運さんの欲を弄びたくて仕方ない。
普通にしているだけでも扇情的な雰囲気を醸し出すおじさんに、女の底なし沼のような性欲が揺らいでいく。
「ちんちん欲しいなあ」
ペニスから口を離して両手で扱きながら、臍下を舐める。
「腰振ってるときの利運さん早く見たい」
「っふ……なまえちゃん……。」
「あ、その顔すごく好き」
なまえちゃん、と囁く利運さんのいやらしい表情が見たくて、知りえる淫猥の限りを尽くす。
唾液が尽きるまで交わりたい、私はそう思っているのに。
息を切らした利運さんが、なまえちゃんと名前を呼んでから再度萎えた。
硬度が増していたはずのペニスが手の中で柔らかくなっていった。

萎えたペニスを手で扱いても意味が無い、と判断してから利運さんの腹筋を舐めた。
腕を回し、筋彫りのある背中に抱きつく。
「おっぱい吸う?」
「吸う。」
即答した利運さんの顔の前に胸を持っていくと、すぐに胸を吸い始めた。
子供のように胸を吸われ、舌で乳首を転がされ、私の肉壺からは愛液が漏れ始める。
利運さんの臍の上に腰を落として、胸で感じる快感に浸った。
「はあっ、あん」
「ん…なまえちゃんの声、可愛い。」
吐息を漏らす私を見上げる目つきに、鋭さが宿る。
眠そうな目が雄になる瞬間が、とても好き。
下半身を見ると、萎えていたペニスは少しだけ大きくなりはじめていた。
「こうするとすぐ大きくなるじゃん」
「コレ美味しいもん、大好き。」
「おっぱい好きだもんね」
味わうように音を鳴らしながら胸を吸う利運さんの頭を撫でながら、腰が揺れる。
乳首からの刺激で愛液が垂れるようになったのは、この人が胸への愛撫が好きだからに他ならない。
じゅるじゅる、ぢゅ、と音が鳴る胸元にいる愛しのおじさんのお腹の上で、欲を強請る。
「ローションあったっけ、パイズリしよっか」
「いいの?やりたいな…。」
「私の中より、おっぱいにぶち撒けたほうが気持ちいいんじゃないの?」
「おじさん、それはわかんないよ…。」

白髪が混じる陰毛の上にも私の愛液がついていて、快感のことしか考えられなくなる。
硬度を取り戻したペニスに手を伸ばせば、先走りが指の間を流れた。
ローションでパイズリをしながら亀頭を舐めよう、そう思った矢先に再びペニスが萎える。


「は?」
私の不満そうな声に、利運さんが青ざめる。
目を逸らして、明らかにバツが悪そうだ。
「なんで!!そうなるの!?」
「いや…なんか、俺じゃなくてちんぽ欲しさにやられてるような気がして…。」
どっちも欲しいに決まってるじゃない。
なんでよ、どうしてこうなるの。
駄目だめだめ、責めてはいけない。
利運さんの身体ごと愛さないと、セックスは気持ち良くない。
でも、でも。
「ねえ!?こうなると私が不満なの!わかる!?」
「わかってるよ!ごめん、ほんとごめんね!」
欲で塗れたい、愛し合いたい。
何もかも分からなくなるくらい乱れたいのに。
利運さんの恥ずかしい姿を沢山見たいのに、どうして。
ベッドから飛び起きて、戸棚からローションのボトルを取った。
近くにあった水を飲んでからローションの蓋をあけて、中身を利運さんのペニスに垂らす。
だらしない腰がヌルヌルになってから、身体を一度離した。
枕を横にどかして、どっかりと座る。
「なまえちゃん…?な、なにしてるんだ?」
「お仕置き」
「パイズリは?」
「黙ってこっち見てて」
私がローションを太腿と足に垂らしたのを見て、利運さんは真っ赤になった。
利運さんの大好きなおっぱいで甘えさせてあげない。
事に及ぶ前にシャワーで洗って綺麗にした両足の裏にローションを垂らしてから、足でペニスを扱いた。
「うっ、わ、ああっ。」
土踏まずでペニス全体を扱いてから、足首の筋肉を使って上下に刺激する。
足の親指の先で亀頭の先を何度も擦ると、腰が浮き始めた。
「…なんだ、勃つじゃん」
「えっ…わあっ…これ、いいかも……。」
いいかも、なんて言いながら余裕はなさそうに息を荒くしている。
ペニスはどんどん硬くなり、扱きやすくなっていく。
浮いた血管を足の指で刺激すると、睾丸がぴくりと動いた。
「足裏で扱かれて興奮してる変態おじさん」
「うっ…う…ごめん…。」
カクカクと腰を浮かせる利運さん、足で愛撫する私。
情けない顔を向けながら女の足で感じている姿で、涎が溢れ出そうになる。
利運さんのちんちん踏みつけちゃった。
しかも、すごい感じてくれてる。
うれしい、うれしい。
熱のこもった視線を向ける利運さんが、なまえちゃんと私を呼ぶ。
利運さんの視線は、全裸で股を開きながら足でペニスを扱く私に釘付けになっている。
蕩けきった性器が愛液で溢れ、足の指がローションで糸を引いているのが、彼から丸見え。

「なまえちゃん、すごいエロい顔してる。」
「そんなこと言ってる余裕あるの?」
「あんまり…ない。」
足で扱き、すっかり硬度を取り戻したペニスにしゃぶりつく。
萎える気配はなく、熱の弾力を舌で感じた。
皮膚と白髪の混じる陰毛を見つめながらフェラチオをしていると、利運さんがサイドチェストにあるコンドームを取り出した。
袋を破いてすぐ「あ、間違えた。」と聞こえる。
またひとつ開けて「うわ落ちた。」と聞こえ、私が片手を差し出すとコンドームの束が委ねられた。
「ごめんね、下手くそで。」
「そこも好き」
袋を開け、コンドームを口で咥えてからペニスに被せる。
私が口でゴムをつけるのに慣れてしまって、喉奥をペニスで刺激されると堪らなくなってしまう。
はやく、ほしい。
揺れる腰と尻を撫でる手に、軽く叩かれる。
「うぁっ」
「最高。」
利運さんの目には熱が宿って、すっかりその気になっていた。
足で扱かれていた姿はどこへやら、身を起こして私に覆い被って舌を絡めてくる。
さっきまでフェラチオをしていたのに、一切気にならないようだ。
綺麗も汚いも、分からなくなる瞬間が恋しい。
お尻が震え、愛液が溢れ出す。

「なまえちゃん、足コキしながら感じてたでしょ。」
「感じて…ない」
「嘘だ、凄い濡れてるよ?」
太い指で性器を撫でられ、ぐちゅぐちゅと音を鳴らされる。
濡れたそこにマーキングするように擦り付けられ、自然と腰が浮く。
「腰振ってる、やらしい。」
「んっ…いれて、利運さん」
「きちんとお願いできる?」
ああもう、この人は。
さっきは私のおっぱいを吸って、私の足で感じてたのに。
「私の足コキでビンビンになった利運さんのちんぽ、いれてください」
「いい子だね。」
膣内に熱の塊が挿入され、腰から脳天までを快感が突き抜ける。
利運さんの腰が動き、膣内が抉られていく。
漏れる声に興奮した利運さんが、私の胸を揉みながら抽送する。
「もー、足コキされてびっくりした。」
「だって、だって」
「あんな恥ずかしいことしてまで勃起ちんぽ欲しかったの?なまえちゃんの積極的でエロいとこ、大好き。」
「それっ…はぁ、とし、ゆ、さんが…いいからっ」
「俺が、なんだって?」
心地いい感覚に身悶えしながら脚を絡めて、腰の中身を強張らせた。
「利運さんのっ、全部きもちいから…っよくなりたいのっ」
「やらしー、なまえちゃんどんどんエロくなるね。」
唇が触れ合って、合図がなくとも舌が絡まる。
最初からこうするのが生きる目的のように交わって、熱を抱き合う。
「あぁ、ああぁ、ん………あああ!!!」
「すげえ声、そんなにいい?」
「きもち、きもちいっ」
「足コキされた甲斐があった。」
息を切らす利運さんが膣内で動くたび、蜜が垂れて滲んでいくような快感が腰から全身に広がる。
声をあげながら身体を痙攣させ、ペニスを咥えこむ。
何度も動く腰は、利運さんの熱で逃げられない。
身体を捩って、シーツの上で享受する。
また萎えられたら、足コキすればいいや。怒ることでもないし。
それでも萎えたら縛りあげたりすればいい、色んなことをしてみたい。
なまえちゃん、なまえちゃんと呼ぶ利運さんを抱きしめて、指先で背中の筋彫りをなぞる。
肩に噛みついて、足を絡めて利運さんの腰を抱く。
この熱の矛先は私のものだ。
甘い快感を味わう私の膣内でペニスがぶわわと膨れ上がって、何度か痙攣する感覚がした。
息を切らした利運さんがペニスを引き抜き、ゴムを処理する。
放心状態の私の横に寝転がって、盛大に溜息をついたあと私を抱きしめてくれた。
「あんなことしてまで俺としたいんだね、興奮した。」
そう言う利運さんの顔色には明らかに疲労が浮かんでいて、面白くなる。
好きよ、どんなところも。
ずっと利運さんを抱きしめていたい。

「ね、ところでさ」
「うん?」
「冷蔵庫に誕生日ケーキあるから食べよ、それ食べたらもう一回したい」
「…ええ…???おじさん死んじゃうかも。」




2022.07.07



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