冬島さんとエロピロートーク






私のスマートフォンに連絡があった。
いつもマナーモードにしているから、連絡が来ればバイブレーションが作動する。
ぶぶ、とテーブルの上で動いた自分のスマートフォンを取る気にもなれないけれど、耳だけはしっかりと現実を紐付けていた。
私の髪を撫でる慎次さんが、薄めを開ける。
「携帯、取らねえの。」
「んー、どうでもいいや」
だって今、慎次さんとこうしているし。
「なまえがいると何もやる気起きねえな、ヤる気は起きるけど。」
愛情表現は真っすぐ、私の虜で、ちょっとだけ下品。
それが慎次さんのいいところ。
愛に包まれてから見る慎次さんは私に真っすぐぶつかってくる。
受け入れる私の心が満たされる快感は、身体の快楽よりも大きい。
好き、好き、愛している。
慎次さんに何度言っても、言い足りない。
テーブルの向こう、パソコンデスクのほうからゲームの起動音のような音がする。
慎次さんのスマートフォンの音だ。
誰かから連絡が来たのだろう。
それなのに私をじっと見つめたままニヤついた目でうっとりする慎次さん。
私を優先事項にしてくれるのは嬉しいけど、彼は隊長。
年長者で上層部からの信頼も厚い彼のプライベートの中に身体ごと埋めていても、常に気に掛ける。
「隊長への連絡だったらどうするの」
「マジなやつなら電話鳴りまくるから、平気。」
「当真くん、電話できるのかな」
「音声認識が電話帳まで導いてくれる時代だから大丈夫だろ。」
私を抱きしめ、唇に優しくキスをしてくれる。
髭が触ってくすぐったいキスも、もう慣れた。
慎次さんの大人の顔を見ながら喘いで頭を真っ白にして、恥ずかしい恰好のまま絶頂を迎える。
浅ましい好意も、大好きな人とすれば魔法のような感覚に満ちていく。
溺れ合うことの気持ちよさを、慎次さんと探り合う。
ニヤついた目元が、さらに色っぽく翳る。
「なに、他の奴と連絡とってほしいわけ?」
「やだ」
「俺も嫌だ。」
慎次さんが私の肌を撫でて、キスマークをつける。
痕をつけられるたびに顎髭が触って、下半身が疼く。
「なまえの肌にタッチパネルあったらいいんだけどな、こんなに柔らかいパネルなら延々弄ってられる。」
キスマークが乳房の下につけられ、白い胸にいくつかの赤い痕が散らばる。
柔らかい脂肪の塊の上の皮膚に男の人の薄い唇が吸い付いて、甘えたように痕がついていく。
消えるまで、何度もこの光景を思い出すだろう。
「なまえのおっぱい食べたい。」
「変態」
「変態プレイする?吸引ポンプとか二穴バイブ使いたいんだけど。」
慎次さんは積極的に道具を使う。
ベッド下にはバイブとディルドとローターがあるし、シーツにはローションが落ちてる。
道具は嫌ではない。
なんでかって、慎次さんは道具を使って私の快感を引き出すのが上手だから。
頭の中が蕩けそうな私を責め立てる慎次さんの腰使いを思い出して、子宮のあたりが疼いてくる。
身体を任せる快感と、安心と、興奮。
新しい大人のおもちゃを通販しては、私とのセックスに取り入れる。
「どこ吸引するの」
「クリと乳首の三点。」
「変態」
「でもそれがいいんだろ、なまえ、少し強引に触るとたらーっだもんな。」
慎次さんに弄られる私を妄想する。
変な形のおもちゃで、クリトリスと乳房の先ふたつを道具で吸われ感じている姿を慎次さんに見られる。
気持ちよくて、たまらなくなるはず。
「いじわる、やめて」
顔をシーツに埋めると、慎次さんは私の肩にキスをしてから抱きしめた。
腰に少しだけ大きくなった男性器があたっていて、慎次さんも興奮してることに私の妄想が掻き乱される。
私の妄想は、現実となり快感として降りかかってしまう。
「可愛い。」
慎次さんが私を抱きしめたまま、背中と腰を撫でてくれる。
その手つきに性的なものは感じない。
股の間から溢れる体液と汗と、互いの匂いでいっぱいになったベッドから起き上がるまで時間がかかりそうだ。
ずっとこうしていたい、私の身体が期待する快楽の海へ沈みたい。
優しい手つきを感じながら、目を閉じた。
「ていうか二穴バイブも吸引ポンプも買ってあるんだけど。」
「ほんとに変態ね、好きよ」





2019.11.12






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