自らの愛を許した






東春秋リクエストのまるさん、あおささん
初体験夢だったので同時消化








愛を語るには、性を避けて通れない。
恥ずかしいから出来れば性にまつわる話をしたくなくて、男っぽく振舞ってみたり、そんなこと興味ないふりをして。
好きと言われれば、私は別にそんなことないと言う。
嫌いなのと言われれば、私は後ろ向きなことを言う人は気味が悪いと思うのと言う。
天邪鬼な私を良く思う人は、あまりいない。
皆が頭のどこかで性に纏わることを考えたことがあるのだと思うと、どうしても態度がそうなってしまう。
恥ずかしいことは恥ずかしいと、認めるしかない。
でも、春秋が近くにいると恥ずかしいことをしてもいいような気分になってしまう。
出会ってから随分経つし、付き合い始めてからも随分経つ。
そろそろ致しても、という機会は何度かあっても全て私から遠まわしに拒否していた。
春秋は大人。
夜までデートして、終電目掛けて走ることになっても。
部屋でふたりきりになってお酒を飲んで寝転がって笑っていておかげで、スカートが捲れても。
私がそうじゃない、と目を伏せれば春秋はそれ以上踏み込んでこない。
なんだか放置されている気分になって、春秋の狙いはこれかと察する。
急かすことも性欲に踊らされることもなく、ただ私が許すのを待っているように見えた。
私がいいと思うまでじゃないと、性行為が成り立たないことを分かっている。
春秋は、やっぱり大人だ。
数個下の私が敵わないくらいには大人で、人を見据えていて見透かす、そして尊重してくれる。
大人の春秋が私は好きで、何もかも許した先に待つのは本物の愛なのかと信じたい。
信じた私を馬鹿な女だと罵る春秋は、恐らくいないだろう。
そう思ったのは、デート前日に風呂場で体毛処理をしていた時。
ふと性器に目をやり、その周りだけ毛をそり落とし見栄えをよくして毛を撫でるように剃り、短くする。
ぴたりと閉じた割れ目、太ももを開けば恥ずかしい部分が見えてしまう。
裸になったとき、私はその恥ずかしさを何に昇華するのか。
考えなくてもわかる、そういうことは本能に任せるしかないのだ。
陰毛をすこし整えれば性器の形が分かり、私がその気になれば肉唇の割れ目の中にある肉壷に怒張した肉棒が挿入される。
春秋は私の身体を貪って、どんな顔をするんだろう。
冷静と誠意を顔に貼り付けたような表情筋が、どう歪んで変わるのか。
その瞬間を見れるのは私だけだとしたら、春秋の弱みすらも身体の中で握れる。
性とは、愛とは、愛にくっついてくる性とは。
大人になった自分の中で存在する疑問を噛み砕く時期が、ついに来たのだとシャワーを身体にかけて思う。
温かいシャワーが肌を流れ、風呂場の床に落ちる。
髪に滴る温度の下にある性欲が破裂する前に、春秋に会いたい。




ブラジャーを外された瞬間、身体が熱で覆われる。
何度か寝た春秋の部屋のベッドの上で大きな手により脱がされていく時間が、熱に塗れた。
心臓が口から出そうなくらい緊張しているけど、嫌悪感はない。
未知の気分へと浸されていくと、春秋の大きな手が私の肩と二の腕を優しく撫でる。
「なまえ、肩の力凄い。」
落ち着かせるように撫でられ、伏せていた顔を少しだけあげる。
春秋はまだいつも通りの顔をしていて、私だけ顔が真っ赤。
「は、ずかしいんだよ」
いつもどおり、生意気な態度を取ってしまう。
そうしないと何かが壊れて漏れ出してしまいそうな気分だ。
春秋の指がブラジャーを取り払い、太ももの上に今日のためにつけてきたブラジャーが落ちる。
腰を触りながら、春秋が私に囁く。
「なまえこの色好きなんだ、似合うよ。」
パンツを撫でられ、私の首筋にキスをされた。
反射的に身体が跳ねると、春秋が食いつくように首筋にキスをしたり、舐めたりする。
何度も何度も反応すれば、首筋から背中のほうに舌が移動して、チュ、と音がした。
声を押し殺したのを聴き逃されることなく、春秋の手が露になった胸を揉みながら私を探る。
「ここ好き?」
「違うよっ!なんか、そこ」
口から出る言葉に、躊躇う。
「春秋が触るとびくびくする・・・」
でも、事実。
背中を触られるだけで、パンツの中が濡れて大変なのが分かるからこそ逆らえない。
自分の身体は春秋に許されてしまっていて、私はそれを嫌悪しないどころか快感を覚える。
愛と結びついた性はこんなものなのかと血より愛でいっぱいになった脳で思い浮かべれば、春秋が背後から私に覆いかぶさり全身を優しく撫でた。
どこを撫でられても、声が出そうになる。
覆い被さられ、春秋の身体の大きさを実感した。
私一人を抱きしめるのは容易い胴、胸板、腕、腰。
撫でられてついに声が出てしまえば、春秋が私の身体を優しくひっくりかえした。
「なまえ、全身性感帯なんだな。」
そう言っている春秋の顔にようやっと浮かんだ快感の色に、ぞくりとする。
据わった目に似合わない赤い頬と、誤魔化すように歪んだ眉毛。
上半身裸の春秋の鎖骨を触ってニタリと笑うと、春秋は優しく寝かせてくれた。
「春秋が触るから」
事実。
自分で背中触っても感じないもん。
春秋の手が私の頭を撫でて、口にキスをされる。
ぬるりと入り込んだ舌が口腔を舐めまわしてから、舌が絡まった。
ん、と声を出せば舌にまで響いて恥ずかしい。
顔に熱が集まって、くらくらする。
唇が離れれば、春秋が私の頬を撫でてくれた。
「そっか、嬉しい。」
寝た体勢の私の股に春秋の手が伸びる。
パンツが脱がされ、脚を曲げて脱がせてもらえば春秋の太い指が性器に触れた。
「ひぇぁ」
思わず出た声に自分でも驚きながら、身体が反る。
濡れてどろどろになった性器を春秋が擦ったり撫でたりするたびにくちくち音がして、気持ちいいのが襲ってきた。
膨らんだ肉芽を撫でられながら指で膣の中を擦られ、身体にあった緊張が快感で消える。
「音立てないで、やだやだ」
「立ててるわけじゃないけど、嫌?」
「いや、じゃない」
頭を振った私を見て、春秋が手の動きを変えた。
指を動かさず、肉唇の中に指を埋めて手を横に小刻みに動かす。
性器にある感じる部分を一気に撫でられる愛撫に、悲鳴に近い嬌声が漏れる。
「あぁああぁぁぁぁ」
熱が集まり、いつもより性器の外側が膨らんでいるのが分かる。
こんな風になったことはない。
春秋がいるだけで、こんなにも気持ちいいものになるなんて、と焦っていると春秋が私に何度もキスをした。
「なまえの肌は柔らかいね、いい匂いがする。」
恐る恐る春秋を見れば、まだ頬を赤くしていた。
春秋も恥ずかしいことをしている自覚はあるようで、息が潜まっている。
「なまえ、可愛い。」
口にも、頬にも、額にも、首にも、キスをされる。
手の動きは止まってなくて、もういいやと強請ることにした。
「指、そこ、そこ好き」
私の言葉を聞いて、春秋がそっと手を離す。
何かぶちまけたのかというくらい春秋の手が濡れていて、羞恥に震えそうになった。
自分の指で性器を開いて、肉芽を軽く触る。
ここなの、と目で合図して性器を弄れば、肉芽が腫れて大きくなっているのを指で感じた。
「ここ?」
春秋が尋ねてから、私の性器に手をやる。
そこがもう液体と化したようで、春秋の指が溶けるように埋まった。
肉芽を触られながら、膣に指を入れられ推すように擦られる。
「中、へん、きもち、い」
春秋が触ってるところは、たぶんGスポットというところだろう。
自分じゃいくらやっても駄目だったところで、他人にやってもらわないといけないところだったと快感の海の中思う。
「なまえの手の小ささじゃオナニーしてもこのあたりは届かないかもな。」
「おっ」
オナニー、と平気で口にした春秋を見る。
私の性器を弄る顔に、これといった変化は無い。
恥ずかしくて口にしたことがない単語だけど、オナニーの回数は多い。
そういうところも見抜かれていたのかと気づけば、もうどうでもよくなってきた。
自分で性器を広げ、春秋に強請る。
「吸って」
どこを吸ってほしいか分かったのか、ゆっくり指を引き抜いた春秋が肉芽に吸い付く。
唇と熱い舌が肉芽に触れ、これまでにない感覚が腰を支配する。
「んっ!!」
ガタ、と骨盤が震える感じがして、達する感じを粘液に混ぜた感じがした。
いつもオナニーでイくのとは違うイキ方。
なんだろうこれは、これがセックスなのだろうか。
きつく閉じた瞼から涙が滲み、酸素を求めて呼吸する。
気持ちいい、気持ちよすぎて怖い。
荒い呼吸をする私の向こうから「ゴムつける。」という春秋の声のあと、袋を破る音がする。
コンドームをつけるとこは見たかったけど、次回。
裸の私と春秋。
脚を割り腰を近づけてきた春秋と、下半身を交互に見る。
据わった目をした春秋、コンドームが装着された性器。
こういうものなのだろうか、私を見下ろすような目に浮かぶ欲情に、全身が熱くなる。
「見ないで、恥ずかしい」
顔を隠せば、春秋の大きな手が優しく手首を掴んできた。
「顔見せて。」
「恥ずかしい」
「俺も恥ずかしいよ、でもなまえの顔が見たい。」
春秋も私も全裸。
恥ずかしくないわけがない。
腕をどかして、春秋の顔を見る。
ようやく真っ赤になった春秋の顔を見て、謎の優越感が私に降りかかる。
「春秋、顔真っ赤だよ」
「だろうな、なまえと部屋入ったときから勃起しすぎて痛い。」
コンドームが装着された性器が、私の性器に当てられる。
その瞬間、危険な感じ方をした。
「あっ!!」
悲鳴に近いものが漏れ、ビリビリとするお腹の下がどうしてしまったのかと両手でお腹を押さえる。
春秋が脚を割り、ゆっくりと挿入し始めた。
濡れて液体のようになったそこは、難なく春秋を受け入れる。
「は、ああぁぁ、ああぁぁ」
心地いい圧迫感が一部分を支配し、お腹の下にある隙間の奥にまで圧迫感が到達した。
熱くて、気持ちよくて、そこを支配されて、もういいや、気持ちいい。
ぬるぬるしたそこに挿入されたものの熱さで溶けそうだ、と思えば春秋が私に覆い被さる。
「なまえ、あっ、う。」
その顔に釘付けになる。
いつもの真面目さはどこへやら、赤い顔に下がった目元と眉、緩んでだらしなくなった口元。
快感の中必死に開ける瞼で、私を見ている。
見たこともない春秋の顔を凝視していると、春秋が私を抱きしめながらキスをして、眼前で愛を囁く。
「なまえ、ようやく、俺、したかった。」
抱きしめられ、厚い胸板に私の柔らかい胸が押し付けられる。
腹筋と私の柔らかいお腹が密着して、何度も腰が動く。
擦れる性器が心地よくて、汗まみれになることなんかどうでもよくなってくる。
はあはあと荒い息をした春秋が私を抱きしめたまま、好き、とか愛してるとか囁くけど、殆ど声になってない。
喘ぎを抑えて出す声で私に愛を伝える春秋が愛おしくなり、顔をなでる。
「春秋、熱いよ」
「俺も熱い・・・。」
腰の動きを止めず、私を貪る。
性器の奥にある子宮を突くのはコンドーム越しのものと分かっていても、感じるものは感じるのだ。
突かれ、骨盤の中に収まる臓器が疼き出す。
感じる、気持ちいい、愛を残そうと臓器が鳴きはじめた。
「おなか、いたい」
「えっ。」
春秋の戸惑いをすぐに安心へ変えるため、臍の下を撫でながら春秋の目を見て言う。
「感じすぎてこのへんギューってする」
気持ちと同じように、愛で満ちて疼き出す臓器。
不思議なものだと微笑めば春秋が身体にがっつき始める。
「なまえ、愛してるよ。」
余裕のなさが腰の動きに出ていて、身体全体が揺れた。
胸が揺れて、いつか見た過激なアダルトビデオを思い出す。
現実は、あんな風にならない。
「わ、たしも、だからっ、言わなくていいのっ!!」
こういうことも、作り物の中じゃ言えない。
愛してるなんて分かってる、確かめ合う行為。
「俺は言いたい、なまえが好き。」
元は生殖行為だし、コンドームなんてほんとはおかしい、けど、この行為の意味は確かにある。
繁殖して歯止めがきかない愛と快感の行き着く先は、どこなのか。
考える余裕が出てきたところで春秋は私の腰を掴んで、奥へ奥へと突き始める。
「あぁもう出そ・・・。」
聞いたことも無いような声色で呻いた春秋の声と、余裕のない顔。
性的な表情を浮かべた春秋が私の身体の中で感じて、息を吸い込んで、腰を打ち付けて。
小刻みに動いた腰が奥に打ち付けたところで動きが止まって、春秋が息を何度か吸う。
その間、私はずっと春秋を見ていた。
長めの髪が頬に張り付いても気にせず快感に溺れる春秋が、薄目で私を見る。
ぼうっとしている私に気づいたのか、春秋がコンドームの説明書にあるとおり射精してすぐ引き抜くために腰を引いた。
引き抜かれる瞬間、ずるずると膣内を裏返りそうな快感が這ったあとに膨らんだ何かが膣口から離れる。
なんだろう、とすこしだけ上半身を起こして見れば、射精して先がだらしなく膨らんだコンドームが装着された性器があった。
「うわ、いっぱい出たね」
コンドームの中にある精液を漏らさないよう素早く処理し、春秋が私の身体に近づく。
汗ばんだ身体は空気に触れて、体温を平常に取り戻していく。
すっと冷める頃には、愛欲だけが残るだろう。
事が済んで落ち着きかけの下半身に触れ、春秋が腰から脚まで撫でる。
くすぐったさに身をよじっても、撫でるのをやめない。
「えっ、あっ、春秋」
「脚開いてて疲れただろう、なまえ、嬉しい、すごく気持ちよかった。」
脚を何でも撫で、腰を撫で、私に覆い被さり何度もキスをしてくれる。
手は私の腰と脚を労わり、チュ、という音が何度も何度もして、嬉しい。
「なまえ、してる時の声も可愛いね。」
とろんとした目の春秋が、私を撫でる。
目を逸らして、もう一度見ても、春秋と目が合う。
ずっと、ずっと見てくれる。
「恥ずかしい、けど嬉しい」
素直に言えば、春秋は優しく抱きしめてくれた。





2017.09.24







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