図上と例え支配は誰が為に




みのるさんリクエスト
精神的(or肉体的)SMの裏夢







廊下を通るたびに、誰かの声がする。
大部屋を適当に分けた空間で、各自勤務後訓練後の一時を過ごしている光景を横目で見た。
伸びきっている同期の男性もいれば、女の子同士話している子もいる。
疲れているはずなのに、楽しそうに話している光景を見て胸が苦しくなってから、早くケニーに会いたいと思う。
歩いている間、何度か誰かと目が合った。
女の子の目。
大きな目に長い睫毛に、にこっと笑った時に薄く歪む瞼。
それも爽やかで柔らかそうな目と視線が交わったのに、何故か私の気持ちが警戒に塗れる。
どうしてそうなるのか、わからない。
銃の成績では「勘が良く素早い、襲撃にも対応できるほど野生的であり動物的勘がある」と評されたから、私は勘がいいんだろう。
だから良くない思いを視線にして向けられれば、すぐわかる。
目を伏せて、廊下を通り過ぎる。
もし、何かが聞こえても嫌な言葉が飛ばされてきても、逃げるが勝ち。
皆にどう思われてるか、まだ気になる。
でも気にする必要もないと分かってるし、実際気にしたところで意味はない。
その心の歪みから生まれるのがマイナスの感情だけとは限らないことを、私は知ってしまった。
私の運命は、ここにある。
歪みそうな心を元通りにしてくれるものを、私は知っている。
廊下を通り抜け、ケニーが居る薄汚れた部屋に向かう足を咎める人は誰もいない。
誰か一人でも「なにしてるの。」「どこに行くの。」とでも言う仲間がいれば、そう思ってもケニーを求める心に変化はないので、どうってことない。
名もよくわからない仲間が私の後をつけて、ケニーの部屋に入るところを見たりしないものか。
そうしたら、ケニーは何て言うんだろう。
想像しただけで、背筋に後ろ暗い興奮が走る。
錆びそうなドアノブに手をかけて扉を開けて、念のため廊下を確認。
人なんか誰もいない。
私とすれ違う人なんか、誰もいない。
部屋着と酒の空き瓶が転がる部屋の中にいるケニーが、いつもの物言いで私を呼ぶ。
「何シケたツラしてんだ、性病にでもかかったか?」
いつもの悪態。
私はこれがとても安心する。
分け隔てなく誰にでも汚い態度を取るケニーは悪い意味で一目置かれがちだけど、私は好き。
「そう言えばアソコが痛いかも」
「ちゃんと洗え。」
銃を弄るケニーが、手元にある布切れとハンカチの間のような雑の布で油まみれの手を拭う。
血で染みを作ってそうな銃は、いつもケニーの近くにある。
「ケニーこそ水浴びたの」
「おう、三日前に酒を頭から被った。」
何があっても銃やナイフを手放さず、獣の皮も見事に剥ぐ。
その手つきを気味悪がる人は、実のところいるだろう。
私が知らないだけで、部隊の仲間の心は知らず。
「一緒に入ろうか」
「いいぜ、手入れ終わってからでいいか。」
骨ばった筋肉質な腕の先にある大きな手に付いた細く節くれた指で、丁寧に銃を手入れしていく。
不器用とは程遠い手の動きに釘付けになりながら、指の動きを見た。
指のどのあたりでいつも気持ちよくされてるんだろう、奥のほうに当たるときは中指の先あたりだろうか、お尻を弄ろうとしてくる大きな親指はあれだ、そう思えば後ろ暗い興奮が私を覆う。
「ねえケニー」
「なんだ。」
「ケニーって友達いる?」
私の意味のない問いかけに、無愛想に答えてくれる。
「そう呼べなくもない奴らはいるが、なまえ、それ知って何になる。」
要するに、くだらないことを考えるな。
そう言いたいのに、こうもユーモアに包んでくれるところが好き。
私の心や身体を叩いたあと、痣や鬱血し血友病のようになった身体の醜いところを優しく包むケニーの手の温度を知っているから、私はこうしてケニーの加虐心を握ることができる。
「ケニー、私そんなに変かな」
思いの丈の上澄みだけをケニーにかけてみれば、思い通りの反応がきた。
「はあ?」
ふざけるなよ、と続きそうなくらい攻撃的な相槌に背筋がぞくりとする。
そっと、ケニーの顔を伺うとゴミでも見るような目で私を見てくれていた。
ケニーに、浅ましくつまらない心の内を明ける。
皺のある目元を探るように見れば、ケニーはすぐその気になるのを知っていた。
だから、そうする。
「なんか…さっき…来るとき皆楽しそうに話しててね、私はケニーといたほうが為になるし楽しいし嬉しいからいいの。
この部隊はいって、私は一生懸命やってるつもりなんだけど、こう、他の仲間と訓練以外で口をきいてもらえない気がするの。
だからなんだって話なんだけど、なんか、ほんとに、ケニーと早く話したいって気持ちでいっぱいになるのは、本当で、好きだし側にいたい。
でも、こう、友達がいないのが寂しいからじゃないかって思い出したら、すごく」
手入れいていた銃を音を立てて置かれ、私の肩を震わせる。
鼓膜と頭の裏側がじわじわと細かい針に刺されていくような感覚が興奮に変わっていく私を見下ろすべく、ケニーが椅子から立つ。
縮こまる私のつむじを見下ろすような立ち位置にやってくると、始まった。
「んだよ、うじうじ気持ち悪りぃな、思い当たることねえのか。」
「ない」
「あれじゃねえのか、なまえが部隊も仲間のことも二の次どころかゲロよりどうでもいいってのがバレてんだろ?」
「違うよ」
少しだけ見上げれば、刺さるような目つきが上にあった。
腰のあたりがぞくぞくして俯けば、ケニーの手が私の顎を掴んだ。
「例えばよォ。」
顔が上げられ、首元が露になった。

このままナイフで喉を切られれば、私は切り裂きケニーの被害者。
彼を妄信しているであろう何処かの狂人にとっては、この上なく羨ましい死に方も出来る。
私はこの立場が、とても嬉しい。
「隊長に毎晩お仕置きされてますとか、隊長と気持ちいいことしまくってるときは部隊のことも頭にありません、とかよ。」
顎を捕まれ、口腔内が喋りにくい状態のまま話す。
「そういうのとは関係ないでしょう」
無様な声を聞いて、ケニーが意地悪く笑う。
口角が上がり、闇夜で見れば間違いなく叫ばれそうな笑顔を私に向けたまま、片方の手が私の身体を這った。
「いいや関係ある。まず俺に行くあてのない話題ふっかけたなまえは可哀想慰めてって具合に孤独を感じるって言ったよな、そんで孤独を感じてビチャビチャになったら俺に会いたいときたもんだ。
俺がそう聞こえるだけにしちゃあ、随分それっぽい言い方してんぞ、商売女も真っ青だ。
傍目からでも雌の匂い垂れ流してるのは案外分かるもんだぜ?それもここにいるような銃構えた男ならなまえの喘ぎ声くらい想像つくだろうな。」
ボタンが外され、下着が見えてすぐケニーの大きな手で胸を叩かれる。
パン、とマヌケな音がして叩かれた胸が、だらしなく揺れた。
腰を震わせれば、何度も胸を叩かれる。
「頭に行く栄養が乳に行ったような身体してよォ、よくもまあ大義名分やら正義が付きまとう世界に踏み込んだもんだぜ。
それともそんなもん嘘っぱちだって分かるくらいには出来た女のつもりでいんのか。」
顎から手を離され、シャツを取り払われる。
わざとらしく身じろぎすれば、背中に手が回り引き寄せられ首筋を齧られた。
痛みで身体を引こうにも、動けない。
「違うよ、ケニー、私」
「おともだちが欲しいってんなら、こうして俺の側にいる時間でオンナノコ達と話してきたらどうだ?」
耳たぶを噛まれ、低くて響く声が内耳の奥にまで伝わりそうになる。
足を動かせば、硬くなったペニスが太もものあたりに当たった。
いやいやと下半身を動かしてみれば、身体は離れ机にうつ伏せにされる体勢を取られる。
顔は見えないけど、背後に覆いかぶさる大きな気配だけはしっかりと分かった。
ズボン越しにお尻を触られ、次の言葉を待つケニーに懇願する。
「女の子は、怖い」
「何が怖いんだ、言ってみろ。」
お尻を掴まれ、肉が締め付けられた。
丸い形のお尻がどんどん形を変えられていくのを感じながら、責めを待つ。
「…悪口みたいなの、とか」
弱々しく言えば、大きな手にお尻を叩かれた。
バンと響く音がしたけど、痛みはそれほどない。
こういう加減が上手なケニーの手が、好き。
大きな手が私の髪を優しく撫でて、掴んで、そっと持ち上げる。
動物のような体勢になった私の耳元でケニーが囁く。
「なまえやっぱよお、自分が女くさいって分かってやってんだろ。」
優しくて、柔らかくて、怖い声。
この声を聞きながら死ねた切り裂きケニーの被害者達は、どう思って死んでいったのだろう。
少なくとも、私なら興奮しながら死んでるだろう。
求めるものが深く暗い私を満足させるケニーは、きっと誰しもの救世主と安息になるはずだ。
耳元で喋りかけられながら、そっと服が脱がされていく。
「なまえ、その見た目でイイこと知らないお嬢様みてーなウブなふりしてちゃ駄目だろ、女の嫉妬はこえーぞ?
オトコに愛されてる女に対して敵意剥きだしにしてこない女はレズのネコくらいだ、ここにそういう女すらいないって分かったからそうしてんだろ。」
大きな指が、私を包む布を少しずつ取っていく。
無抵抗のまま、ケニーを感じる。
声を漏らさずに見つめれば、据わった目をしたケニーが私を見下ろしていた。
雄の目の周りにある皺に深みが増したように見えるこの体位は好き。
自分から強請るふりをせずにいれば、早くしたいと言わんばかりに太ももに硬いペニスが当たる。
「なまえみてえな女が気持ちいいこと抜きにおともだちになりてえんなら、そういうのしかねえもんなあ?じゃなきゃ隊長とヤるなんて危ないことしねえ、なまえ、お前やっぱ出来てる女だよ。最高だ。」
褒められてから、尾てい骨のあたりをケニーの手が探る。
足元に私が履いていたズボンが落ちて、背筋にざらついた舌が這う。
声をあげて身を捩れば肩甲骨のあたりを強く吸われて、いくつもの痕をつけられる。
ケニー以外に見せる予定はない痕だけど、私がケニーと所有している時間を刺青のように残されているようで気持ちがいい。
「つーかよお、なまえ、最近お前じゃなきゃ勃たねえんだ、どうしてくれんだ。」
下着を破られてから、お尻に平手打ちを一発。
声を押し殺せば、もう一発。
音だけのスパンキングに少しずつ痛みが増してきて、性器が濡れていく。
「男が女が、そんなのは娼館で通用すりゃいい。俺の側でアンアン喘ぎたいんなら、それ相応の愛情表現が必要ってだけのつもりだ。」
「ケニーが好きなのは本当だよ」
「んなこと誰が言えって言った。」
本気の力でお尻を叩かれ、悲鳴に近い喘ぎが漏れる。
その声に興奮したのか、ケニーが何度も叩いてから背筋から首にかけてを舐めた。
背骨の上にある皮膚をなぞられるようで、今にも食べられそう。
首をかぶり、そうされてもいい。
「でっけえケツ、自分が野郎共のオカズになってることくらい知ってんだろ。俺だけにどうにかしてほしいなんて、なまえのオツムはどこいっちまったんだ。」
「違う、違うの」
「何が違うんだ、言えよコラ。」
身体をひっくり返され、自分から下着を脱いで胸を露にする。
ケニーに散々弄られているが、処女のときのまま変化のない乳房の淡い先は硬くなっていた。
揺れる胸の谷間に流れる汗が伝って落ちたのが分かる。
「濡れたりするの、ケニーだけ」
両腕でケニーを抱き寄せれば、険しく下品で男性的な笑顔がそこにあった。
「他の男で試してきたってわけか?」
「そうじゃない、そうじゃなくて気分がこうなるのがケニーだけ」
性器に指が滑り込み、くちくちと音がする。
陰唇に擦れるだけで十分な快感に変わるのだから、好きな人とのセックスは気持ちいい。
「言い訳すんな、あーあーもうここ濡れまくってんじゃねえか。」
ケニーの大きな手で性器を弄られるのが好きで、すぐに濡らしてしまう。
それでも、すぐに挿入することはない。
これが、私と、私とケニーのセックス。
愛液まみれの指を見て、ケニーが意地悪く淫らに笑う。
「一瞬ここがザーメンまみれなのを想像したけど、まあ、今のは信じてやるよ。」
机からベッドに移動して、脚を開かされたままネクタイで手と足首を左右それぞれ縛られた。
ケニー、ネクタイなんて持ってたんだ。
嬉しいから、すぐ外れるネクタイには抵抗しない。
性器は丸見えで、胸もなにもかも見えている。
据わった目をしたケニーが、淫乱女と言われても仕方ないような格好をした私を見た。
ズボンから出したペニスを軽く扱きながら、私の横に座る。
「愛だの何だの抜きにして恥ずかしくて気持ちいいこと出来るのは男だけじゃねえよ、女もそうだ。」
脚を触られてから、胸を何度も叩かれる。
赤くなってきた胸を手が往復するたびに、熱と痛みで性器から愛液が溢れた。
ケニーの指が、クリトリスを撫でながら膣内を蹂躙する。
ぐちぐちぐちと恥ずかしい水音と共に、子宮側を指で押され快感に全身が痺れた。
ネクタイの先にある足先がぴんと伸びてしまっているのを見たケニーがにやりと笑って、指の動きを的確にする。
弱いところばかり責めて、私の喘ぎを楽しんでいるケニーの顔。
いやらしくて、欲望にまみれて、本能的で、一番人間らしい瞬間。
尿道の裏側から指で子宮ごと刺激されるくらい気持ちいい愛撫に頭と腰ががくがくして、気持ちいいって身体が叫ぶ。
「夢見てんじゃねえのか?好きなオッサンにケツ叩かれて腰振りまくって幸せか?」
「しあわ、せの、いちぶ」
「んなややこしい言い方すんな、大人になるってのは気持ちいいことも普通になることだ、いい加減ガキみてえなフリはやめろ。」
「ちが、ちが」
「いやいやだめだめでチンポが通用すんのはぺド野郎だ、あーあー萎えちまうよ。」
ケニーが私の髪を掴んで、身動きの取れない私をモノのように扱い自らの股間に顔を持ってこさせた。
目の前にあるケニーのペニスが頬に当たり、ぬるっとする。
「ガキ産んだときに何て言うんだよ、可愛い我が子にお前はケツ叩かれながら産まれたって言えるか?」
痛そうなくらい腫れたケニーの硬いペニスを頬張り、しゃぶる。
太くはないけど長いペニスは、激しいピストンで感じることができるから好き。
亀頭冠が唇の内側にひっかかり、膣内で感じるときに一番気持ちいいところを口腔内で再現した。
上目遣いでケニーを見れば、今にも悪態をつきそうな顔のまま気持ち良さそうな目をしている。
うれしい、かわいい、感じているの?
そう思えば亀頭から溢れた先走りが舌の上を濡らす。
下品で汚い音をさせながらフェラチオをすれば、ケニーの手が私のお尻へ伸びた。
肛門に指が触れ、私のお尻を伺う。
すぐにフェラチオをやめてケニーへ強請った。
「んや、ケニー、ね」
「ああ!?聞こえねえーなあー!!デカイ声で言えよ!!!!」
フェラチオをやめられた不満なのか、怒鳴りながら肛門を更に弄られる。
不快感と異物感にしかならない行為はどうかと思うと、お尻を下げた。
「おしりやだ、アソコに入れてよ、ちょっとだけ、精子出さないなら挿れていいから」
「今日もケツ駄目なのかよ!いつになったらケツに欲しいって言うんだ!!」
お尻を強く叩かれ、腰が砕ける。
動けない私を他所にネクタイを解いて、手足が自由になった。
痺れているけど、心地いい。
「ずっと言わない!!!」
「ケツ嫌がる女はなまえが初めてだよ、飽きさせない、良い女だぜっ。」
押し倒され、ケニーを抱きしめる。
脚でケニーの腰を抱えると、胸を何度も叩かれたあとにお尻を叩かれた。
ゆっくりと挿入されながら、息が詰まりそう。
ずるずるとペニスがめりこんでいく度に、快感で頭がいっぱいになる。
はあはあとお互いの荒い息しか聞こえないのを誤魔化したいような手つきで、私のお尻が何度も叩かれた。
ケニーが気持ち良さそうな顔をした瞬間、汗が私の腹の上に落ちる。
「ガキ出来たから結婚しようって言うなまえが目に浮かぶぜ、クソ、ああああクソっなまえ締まりいいな!!」
両足を掴まれ、激しく腰を動かされる。
亀頭冠が膣内でひっかかって、激しく擦られるたびに脳が快感で溺れた。
長いペニスで何度も擦られるたびに、私の頭が快感で駄目になっていく。
手足を結ばれてたネクタイで、胸だけを叩かれた。
意外と鋭い音がして私は馬か、と思ったけど、それでもいい。
ケニーだけが乗れる雌馬。
大きな手が私の子宮を押して、クリトリスを刺激する。
その間も、胸もお腹もネクタイで叩かれた。
激しいピストンに加えられた刺激に耐えられず、痛いのに気持ちいいのが止まらない私の喉から、喘ぎが漏れ出していく。
「アアアアあああぁあぁあああああぁあぁあぁぁぁぁヤバイヤバイヤバイぃぃいいぃっ」
「ああああああっもううるせえなああ!!雌馬!鳴けよ!馬小屋に住んでみろ!」
ケニーの手が私のお尻や胸やクリトリスを叩くたび、軽く達する。
擦れる性器から溢れる液体がなんなのか、もうわからない。
ケニーのなのか私のなのか、わからないし知らなくていい。
気持ちいいことこの上なくしていれば、ケニーがネクタイで叩くのをやめて私を抱きかかえながら腰を振り始めた。
頭にケニーの大きな手、顔の近くにケニーの顔。
汗をかいたケニーの顔を見て、子宮が疼く。
「やべ、も、出そう。」
「ああああああああぁぁぁやだやだ、だめ、今日は出しちゃ駄目なのっ」
そう言っても、やめてくれるわけがない。
ケニーが腰を打ち付け始めて、私はお願いした。
「だっ、だから!中にビュービューしてって命令して!はやくっ!」
赤い顔をして私を見るケニーは、とても性的だった。
皺のある、老けた顔に浮かぶ欲情。
こんなことをしなくてもいい歳の男が、私の身体に縋りついて生理現象に捕らわれている姿。
とても愛しく、痛々しく、可愛らしい。
わざと膣を締めてみれば、ケニーの反応が変わった。
眉間に皺を寄せて、目を細め口元がだらしさなの手前で開く。
ケニーのほうが、今にも喘ぎそうな顔をし始めた。
「言われなくても出してやるよ!強請りやがれ、ケニーのチンポ汁くれって、ああああぁこの!クソ女!締めんな!」
私に覆いかぶさり、強い力でお尻を叩かれる。
浮き上がった腰も逃げられないくらい、ケニーの力が強い。
腰骨はケニーに抱えられ、打ち付けられるたびに上半身の筋肉が揺さぶられる。
私の膣を味わいながら「気持ちいいっ。」と呟いた声に、ときめく。
挿入されたまま腰を振る私を見て、ケニーが子宮のあたりを何度も叩いた。
響いて、きゅうってする。
「ビショ濡れクソ女!チンポで蓋してやってんのにケツ振りやがって老い先短いオッサンのザーメンくれってか!嫌って喚かれてもブチ撒けてやるよ!ガキでもクソでも何でも腹に溜めやがれ!
ガキ出来たらなまえもガキも悲惨だろ!?なあ!?んなこともわかんねえのかよ!頭ん中まで俺のザーメンまみれかよ!?」
汚い言葉で罵られて、腰が揺れる。
「そうだよぉ、もう取り返しつかないのっ」
身体がびくびくして、髪はめちゃくちゃで、身体は痣が浮かんでくる。
これが、愛の証。
「俺にケツ見せてる時点で取り返しもねえだろ!乳にある栄養を頭にやれってんだ!」
腰を捕まれ、ぐっと深く挿入される。
何度か膣の奥で行き来したあと、何かが出されたような感覚がした。
「安心しろよ、ガキもなまえもまとめてケツしばいてやっからよ、なあ!」
動きが止まって、酸素を求めればケニーに唾を吐かれた。
頬にかかった唾は首に垂れ、シーツに落ちる。
それからケニーが私の汗を舐め取りはじめた。
ざらついた舌に水分を足すように舐めてくるケニーの舌は、先ほどまであんな汚い言葉を吐いていたのに、こんなに優しい。
胸の谷間の汗を舐めとり、赤くなった乳房を撫でてくれた。
「ったく、いい乳してんなあ。」
胸を弄るケニーが赤子のように思えて、抱きしめる。
このまま、溶けてしまえたらいい。
ぜんぶぜんぶひとつになって、ケニーのものも私のものも、なにもかも。
「死にそうな目で見るんじゃねえよ、なあ、なまえ。俺は女々しい女より、女を分かってるなまえのほうが好きだ。」
愛の言葉を吐いたケニーを、撫でる。
それを合図にケニーが私に縋りついてきた。
何度もキスをして、体液まみれの性器をつけた身体のまま抱き合う。
終わった後は、いつもこう。
ケニーが「愛してる。」「なまえは綺麗だ。」とか言っていいのは、この時だけ。
身体の中にある温かさは、決して体温だけじゃない。
疼く子宮は、誰のためにある。
部隊のことも仲間のこともすっかり忘れてた私の身体は、浅ましくもケニーにだけ開かれていく。
ケニーだから、こうなるんだ。





2017.07.03









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