07






水の中の音ならいくらでも聞けるし、どんな侵入者も見逃さない自信はある。
地上で何かしていて水の中に落ちてくるなんてよっぽど酷いことをしてしまった人の成れの果てか、単に運が悪いか。
あとは、水周りが好きか。
どれも見逃さない聞き逃さないと意識していなくても、何故か春秋の気配だけは分かる。
今日も来てくれた春秋に話しかけて、すこしの間だけ話す。
それでいいのか、なんて考えるまでもない。
いつまでも川の中で生活したくないし、何かの形でこちらに来たことのケジメをつけたかった。
向こうもそれだけで終わらすつもりはないらしい。
春秋が差し出した地味なトリガーを受け取り、水かきの上にひっかけた。
鱗の滑りで落ちないように手の上でバランスを取れば、春秋が説明する。
「こっちの世界のエンジニアに作らせたトリガーだ、俺が見たなまえの姿になるよう設定してあるから、これを使えば陸路の移動ができる。」
「歩けってこと?」
「そうだ、水の中だけじゃこのあたりは行き場が限られる。」
水の中もけっこういいところなのに。
トリガーを持ち、軽く握ってみる。
たぶん音声認証か何かで動くのだろうけど、爪と水かきの間で冷えるトリガーを不穏に思う。
「足は痛くならない?」
「換装すれば痛みは感じない。」
ただ、と春秋が続ける。
「骨に溶け込んだというトリガーが拒絶反応を出さないか、それが問題だ。もし駄目なら引き剥がす、なまえ、やってみてくれ。」
「痛いの、いやだなあ」
「開発室の人になまえのことを話してみたら、興味深そうにしていた。」
「その人はトリガーに詳しいの?」
「俺が知る中で技術関係に一番詳しい二人に相談して、二人とも原因解明には乗り気だ。」
トリガー、春秋、水の中で何もしない私。
頷いてから水の中に入り、トリガーを握り締めたままトリガーオン、と呟く。
ふっと感覚が変わり、軽かった体が重くなるのが感じた。
手を見れば、水かきも鱗も綺麗に消えていた。
足は痛くない、腕を動かしても不自然さがない。
水の上から顔を出して春秋を見れば、嬉しそうな顔をしていた。
足を動かし砂利の上にあがると、トリオン体に滲んだ水はすぐに乾いて、すこし足を動かせば乾いた布が擦れる音がする。
体が濡れている重さとは違う何かが私を覆う。
水や気温に対して変化の無いように設定してある体で、手足には気にならない程度の重力が下がっているように思った。
雫はどんどん下がり地面に落ちて、水だけ確かに滲む。
春秋と会ったばかりの時の肌を白くした腕と、あのときよりは綺麗な砂色の髪。
体は紺色と黒を繋いだ荒い幕のようなものに包まれ、動かしやすく不快感もなかった。
「痛みは?」
「ない」
軽く歩いてみて、足の感覚を掴む。
「移動のときだけ、こっちの世界のトリオン体になってほしい。」
春秋が差し出した大きな手を見つめる。
この手を取れということだけど、トリオン体とはいえ熱で火傷はしないだろうか。
「わかった」
そっと手に触れて、温度を確認する。
平気だとわかり大きな手に自分の両手を添えれば春秋が手を握ってくれて、手に頼りながら砂利の上から草の上を歩き、橋の上の近くまで歩く。
「このままボーダーへ行こう。」
「春秋と一緒なら、行く」
景色を眺め、生返事に近い返答をしたことに気づいた春秋が私を伺った。
「人の姿っていうのは、慣れないか?」
「慣れないわ…私はリーベリーの血が濃いの、鱗が乾けば足に変化するけど、足に順応しにくい」
乾けば乾くほど、痛むし痺れる。
トリオン体なら動きはどうにでもなれるけど、水中以外で万が一トリガーがオフになれば今度こそ消えてしまう。
そうしたら、春秋には会えない。
春秋は私の手を引きながら、まっすぐな石で舗装された道へと出た。
この道を通って、この世界の人は生活している。
リーベリーが調査で出入りしていた深海とは掛け離れた景色を見て、それから春秋を見た。
「こっちの世界に人魚姫って御伽噺があってな、その御伽噺で地上を歩けるようになった人魚が声をなくして、ついでに足を痛めていた気がするんだが、俺の記憶違いかもしれない。
足が乾いた人魚は、声を失くし足を痛めてしまうことを誰かが知っていたおかげで御伽話は作られたのかもな。」
過ぎ去る時間を押さえこむような春秋の声が、好き。
私が何も喋れない女でも、話しかけて心配してくれた春秋を敵視する発想が浮かんでこない。
溺れたときに警戒心まで失くした私と、頼りがいのある春秋。
「春秋も水がないと死ぬんでしょう、どうして壊れたら大変なところに住むの?」
くだらない質問も、今ならたくさんできる。
「俺らは鼻と肺で呼吸する、エラも水かきもついてないんだ。」
「水がないと死ぬのに、どうして水を守らないの?」
「守ってるさ、綺麗な水はあちこちにある。」
「海も川も水質はよくないのに銀褐色の管から出てくる水は綺麗だったわ、あれはどうして?」
「俺らが生活する分に使用する水道の水は綺麗にしてあるんだ。」
耳を疑い、川を見る。
川底なんて汚すぎるとこもあったのに、あの水を綺麗にして使っているという。
「あの水を澄ませるの?」
「そういう技術がこの国では確立している。」
「すごいわ」
春秋が手の力を緩めたのを感じて、手を離す。
自力で歩いて春秋の隣を歩けば、なんとか感覚を掴めた。
歩きながら話したくて、くだらないことをまた話す。
「みんな黒い髪と黒い目をしているのはなんで?」
「この国の人間の特徴だ、他の国にはなまえのような肌の色の人だっているし、髪の色も目の色も複数ある。リーベリーは、他の人もなまえと同じような見た目なのか?」
「澄んだ藻の色をした髪もあれば泥色の鱗を持つ者もいるし、春秋のような見た目の者もいるわ、私は貴族の一番下、平民の最上級ってとこの血筋ね」
貴族の血が濃いと、水の中から一生出れない。
平民の血が濃いと、水の中で暮らすことはできない。
複雑なことを思い出すまいと、いくつかのくだらない質問を浮かべてみた。
「この世界にも貴族とか平民はあるんでしょう」
「あるけど、基本的には皆同じだな。」
「そう、平和ね」
このまま歩いてボーダーへ向かうという春秋についていく私。
知り合って間もない男についていくなんて、私はもうどうかしてしまったんだろう。
「それでも、空の色の仕組みだけは同じなんでしょう」
春秋の隣で空を見上げたあと、またくだらないことを聞いた。
「みんな何を食べて生きてるの?海草?」
「この国の人は魚が好きだ。」
「それは聞かなかったことにする」



扉が開き、部屋の中にいた人物がこちらを見る。
「うおっ。」
私を見た途端驚いた髭面の男が、真顔のまま椅子を動かした。
「冬島、彼女がなまえだ。」
春秋に冬島と呼ばれた髭面の男性は、どうもと軽く頭を下げた。
事情を聞いているのか、冬島は私の足を見る。
「足は。」
「痛まない」
あーそっか、そう。と呟いた冬島は、不快感は無いけれど異様に篭った空気を纏っている。
春秋と同じくらいの背で、髪の色は春秋より明るい。
この男が技術関係で一番詳しい二人のうちの一人だと思うと、冬島は椅子から立ち上がった。
どこかねっとりした視線を向ける目をした冬島に後ずさる間もなく、冬島のほうから近づいてくる。
「ざっと全身スキャンかけるけど、いい?」
スキャンとはなんだ、と思うと冬島が手に白く小さい棒状の何かを手に取った。
それを見つめていると春秋が一瞬だけ私から離れ、白く小さい棒状の何かの先端から小さな光が漏れ、バッと光り私の全身を照らす。
驚いて目を閉じていると、冬島が何もなかったように元の椅子に戻り春秋が私に寄り添ったのがわかる。
恐る恐る目を開けると、春秋が目を覗き込んでいた。
平気だと頷き、冬島を見る。
冬島は太い木を切り倒し磨いたようなものの上にある太い糸がいくつも生えた機器のように見えるものを弄り始めた。
機器のようなものは、岩で作られておらず小さな入り口のように縁取られた窓には薄い幕がかかり、光が常に漏れている。
光り方は鈍らの剣、色は薄めた銀。
それからは冬島が触れるたびにカチカチと爪を合わせるような音がして、何をしているかさっぱりわからない。
冬島が「なまえさんのトリオンそこそこあるね。」と独り言の果てに機械を叩く。
薄い幕の向こうから溢れる光を見た冬島は、呻きながら手招きし春秋を呼んだ。
その間に、部屋を見渡す。
白い岩を磨いた壁、壁、壁。
足が着く壁だけに羽毛をくすませたような色をして、置いてある生活部品も色取り取り。
頑丈だけど空気の冷たいところに住む世界が分からず、熱くなったり泳ぎたくなったらどうしているのか察せない。
長椅子のようなものの上には布を包んだ板があり、それがなんなのか分からず見つめいると、冬島がなまえさんと私を呼ぶ。
冬島のほうを向くと、手招きされた。
誘われるまま近づくと冬島に薄い幕を指差され、薄い幕の向こうの光を覗けば、私の体を縁取った図が浮かび上がっていた。
ご丁寧に、元の私の体の図だ。
長い尾びれまで正確に縁取られているのがわかる、それはいい。
縁取られた体、特に右手と顔と肺部分に細かい光の点描が現れている。
点滅するわけでもなくあるそれは陽の色と赤い色と黄色の点描に分かれていて、色ごとに何か違いがあるのは明確だった。
右手に集中する赤い点描。
なんとなく何のスキャンなのか知り得そうな気分になっていると、冬島が私の顔の部分にある陽の色の部分を指差し、確認した。
「なまえさん、耳にあるこれはトリガー?」
「トリガーだけど、武器じゃない」
「ああ〜、バックワームみたいな。」
「バックワームは何か知らないけど、これは三半規管を通して内耳と脳を調整するためのものよ、翻訳機にもなってる」
「脳…。」
意味ありげに呟いた冬島が機械に触り、何かの表示を弄る。
内耳の調整を間違えれば、どんな音も不協和音にしか聞こえなくなってしまう。
外すわけにはいかないし自分の意思でしか外せないように出来ているこれが無ければ、死活問題。
私と薄い幕の向こうの私を見比べる冬島の顔を見つめてみると、すぐに目を逸らされてしまった。
「玉狛にいる近界民も脳に角埋め込まれてるんだっけか、あっちは進んでんな。」
「アフトクラトルのこと?」
「そう、それ。脳とトリガーを一体化させると強けりゃ強いほど脳のどっかおかしくなると思うんだけどな、そこらへんは感覚違うかもしれない。」
冬島が自分の耳を指差しながら、私を見た。
「これは取れるの?」
「取れるけど、取らないわ」
そうか、と呟いた冬島が先ほどから弄る機械を見た。
手元にある長い板には、細かい文字がびっしりと書かれていて押せば薄い幕の中に文字を取り込むようになっていた。
冬島の指がそれに触れるたび、図の端に書き込まれていく。
こっちの字は殆ど分からないけど、冬島の指を目で追ってみた。
春秋が持ってきた体の目の動きでは上手く追えない。
手と薄い幕を交互に見ても、冬島が押した「Alien」という文字が何度も押されていることしか読み取れず、その意味は分からなかった。
機械を弄るのをやめた冬島が、椅子に座ったまま私と春秋に向き合う。
「それっぽい反応があったのは右手の爪と手首、データ解析してみるけど時間はかかるかもしれない。」
「反応って」
「近界民独特の反応と知りえないトリガーの反応とか、あとまったくわかんないのが何個かある。」
だから時間かかるよ、と言った冬島が私を見た。
窪んだ目元に暗さはないけど、ねっとりした視線はどうも気になる。
春秋が薄い幕から目を離し、冬島に尋ねた。
「トリガーの反応は?」
「そのもの自体はなくて、なんだこれ、右手に攻撃されたあとに似た感じの…でも攻撃じゃないな、同化してる?とにかく調べる。」
薄い幕と私を交互に見ながら言う冬島の目元が僅かに曇ったことを、見逃さなかった。
近いうちに知りたくないことを知る覚悟をして、目を伏せる。
「東、なまえさんと遊んでやれよ。」
ねっとりした視線の持ち主がそう言ったのに耳を疑うと、冬島がにっと笑う。
遊んでやれはとは何だと思えば、春秋が冬島に同調した。
「そうだな、なまえ、行こうか。」
「遊ぶって」
「今の姿なら足で駆け回れるし、この施設内の仮想空間使用戦闘もできる。」
気前のいい春秋の態度は、やはり落ち着く。
試しに来た道を走ってみると、体が揺れる。
背中に毛先が当たるのがわかるし、呼吸をしても気持ち悪くない。
振り返れば、走った私を見て手を振る冬島が薄い幕を見ながら適当そうに言い放った。
「お二人さん、いってらっしゃい。」
足で動ける私に近寄った春秋に手を引かれ、冬島のいる部屋を後にする。
まっすぐ長い廊下を軽く走ってみると爽快感。
乾いた鱗の足じゃなければ、走ることに特化している。
立ち止まって、廊下を見る。
見える限りは同じデザインの無機質の廊下の壁に触ると、この向こうは水なのではないかと思うくらい冷たい。
寄りかかっても動く気配はなく、また走る。
鼓膜の遥か手前を掠っていく空気の音が耳に篭らず過ぎていくのが楽しくて、指で耳のピアスに触れて内耳の感覚をすこし上げた。
音がより鮮明になり、視界まで広がったように感じる。
思い切り走りながら白い廊下を曲がると、二手に分かれていた。
歩いていく方向を見ているうちに、この道はレイジに連れられて来たことがあることに気づいた。
鉄が動き、議会のような建て方の静かな場所。
階段と、壁が横に開く扉。
その前で立ち止まっていると、後ろに春秋が来た気配がした。
「その前に、寄るところがある。」
春秋がそう言うのだから、壁が横に開く扉の前に行った。
きっと、あそこへ向かうんだ。
「偉い人でしょ」
そうだと頷いた春秋が壁が横に開く扉の隅にあったパネルのようなものを押して、扉を開ける。

なんの匂いもしない冷たい空気がぶわっと器官に入ってきた。
この向こうだけ、空気が違う。
「危険性がないと判断したようで、なまえに会いたがってる。特にリーベリーのことを聞かせてほしいそうだ。」
「水の中では危険だよ」
冗談っぽく言えば、春秋は微笑んでくれた。
「そうだな、終わったら玉狛に帰れる。」
そう言う春秋が、優しくても一線を引いている気がして気になる。
干からびそうな私を拾っただけなのに、その場で殴りもしない春秋は本当に防衛機関所属なのか。
平和的な兵士はリーベリーにもいたけど、よそ者には皆厳しかった。
「春秋はどこに帰るの?」
よそ者に優しいのか無関心なのか分からない春秋が、とても気になる。
春秋の歩幅に合わせて歩くのが楽しくて、音を立てずに歩いたり足踏みをしてみたりして歩く。
「俺は自分の家。」
「じゃあ私もそこに帰る」
私の返答に笑う春秋の声を不審に思ったのか、前のほうから歩いてくる人がこちらを見る。
何食わぬ顔で歩いていた人は、私を見て目を剥いた。
その人は男で、見覚えがある。
あの時と同じ白く短いマントは今は着けていないけど、黒い服と髪に重く鋭い目。
レイジとここに来たときに会った秀次という名前の男が、私と目が合った途端に駆け寄る。
強張った顔をした秀次は、好きになれない。
一瞬逃げようかと思ったけれど、春秋が近くにいるのに殴りかかってくるとは思いにくい。
逃げずにいると、挨拶もなしに声質の下のほうが荒らいだ声をした秀次が私に声をかけた。
「足はもう平気なんですか?」
レイジと一緒に居たときに会った出来事を思い出す。
憎悪を浮かべた顔で近界民に関わる話をしている秀次とは、できれば話したくない。
「ええ、なんとか」
「声も治ったんですね、よかった。」
「心配かけてごめんなさい」
「あれだけ酷い怪我をしていたのに、もう歩いていいんですか?その……怪我が随分と酷いように見えた。」
平静を装い安堵の言葉を喋っているようにしか聞こえず、不安になる。
こういう声は拷問担当の兵士によくいる声だ。
あまり好きではないのと自分の立場上、秀次が怖くなって春秋に寄りかかろうとすると、春秋は秀次も知っているようで話し始めた。
「秀次、なまえと知り合いなのか?」
「東さんこそ、なまえと知り合いなんですか。」
「ああ、なまえの第一発見者は俺なんだ。」
え、と声を漏らした秀次の顔を見て、不安が増す。
私と春秋を交互に見る目つきが、どうにも怖い。
春秋に何か言ってほしいと目をやると、春秋の目元も暗くなっていた。
「秀次はいつなまえに会っていたんだ?」
静けさで平静を装う声をした春秋の隣で、状況を味わう。
いざとなったら来た道を思い切り走るしかない。
目つきや声色がすぐに変わる不安定な秀次に吼えられないか心配で、押し黙る。
「前にここに来ていたでしょう、あの時に偶然…彼女は車椅子に乗る程の怪我をしていました、知っているでしょう。」
秀次が私の格好を見て、ぼそっと疑惑の声を漏らす。
「なまえ、東隊…だったんですか。」
「ああ、これ俺が急遽着せただけで東隊の隊員ではないんだ。」
意味はないよと言う春秋が歩き出すと、秀次も同じ方向へと歩き出すのを見た春秋の鼓動が聞こえた。
冬島に聞かれたとき、ついでに内耳の感覚を下げればよかったと思いつつ、春秋の様子を耳で伺う。
「秀次、今から個人戦か?」
「いえ、俺も迅も風間さんも城戸指令に呼ばれています。」
その一言に、春秋の呼吸が一瞬だけ止まったのに気がついた。
状況を理解し、私の体が冷える。
呼ばれたのは春秋と私だけではない上にジン、カザマは誰か分からないけど、ここは近界民の対処や討伐を目的とした組織で、私は近界民。
春秋が偶然助けたこと、偶然レイジと陽太郎に会ったこと、偶然川に飛び込めたことも相まって春秋を頼りにしたい。
近界民への憎悪を隠さないこの少年を同席させ、何を話すというのか。
私の寒気を感じ取ったのか、春秋が冗談っぽく私の肩を抱く。
それを見た秀次が顔を顰めると、春秋が何事もなかったようにする。
春秋の瞬きの音まで聞こえそうなくらい、潜んだ呼吸をした。
「そうだな、俺もなまえも城戸指令に呼ばれている。」
郷に入っては郷に従えというものの私はどうなるのだろうか。
無機質な部屋に入り込むための扉が、開いた。









2016.05.29










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